●牛肉1kgを生産するにはその2万倍の水が必要?輸入食品と水の深い関係 (2008年09月02日)
バーチャルウォーター(virtual water)という言葉を聞いたことがありますか?
バーチャルウォーターとは、食料を輸入している国(消費国)において、もしその輸入食料を生産するとしたら、どの程度の水が必要かを推定したものであり、ロンドン大学東洋アフリカ学科名誉教授のアンソニー・アラン氏がはじめて紹介した概念です。
たとえば、1kgのトウモロコシを生産するには、灌漑用水として1800リットルの水が必要です。また、牛はこうした穀物を大量に消費しながら育つため、牛肉1kgを生産するには、その約20,000倍もの水が必要です。
つまり、日本は海外から食料を輸入することによって、その生産に必要な分だけ自国の水を使わないで済んでいるのです。言い換えれば、食料の輸入は、形を変えて水を輸入していることと考えることができるのです。
日本のカロリーベースの食料自給率は40%程度ですから、日本人は海外の水に依存して生きているといえます。つまり、日本はバーチャルウォーターの輸入を通じて海外とつながっており、海外での水不足や水質汚濁等の水問題は、日本と無関係ではないと言えます。
2005年において、海外から日本に輸入されたバーチャルウォーター量は、約800億m3であり、その大半は食料に起因しています。これは、日本国内で使用される年間水使用量と同程度だそうです。
バーチャルウォーターのウェブページでは、上記のような説明のほかに子どもでも理解できる「WEB漫画」やバーチャルウォーター量の計算ができる「仮想水計算機」が掲載されています。
「仮想水計算機」で実際に色々な食品を計算してみると、(小数点以下省略)米3合に必要な水は1665L、鶏卵10個では1792L、カレールー10人分で1523L、そば10食では6670Lも水が使われていることがわかりました。
水がないと人間は生きていけませんが、なかなか食べ物=水という概念は結びつきにくいものです。子ども一人ひとりに、水を大切に使おうという気持ちを深めてもらうためにも、ぜひバーチャルウォーター」概念を授業の中などに取り入れてみてはいかがでしょうか。
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投稿者 kksblog : 2008年09月02日 18:33