●少子化でもマーケットは拡大傾向―大学生向けマーケティングに関する調査結果より (2008年08月28日)
少子化で子ども向けの商品やサービスの売り上げが伸び悩む中、大学生向けのマーケットは拡大傾向であることが分かりました。
これは、矢野経済研究所が行った「大学生向けマーケティングに関する調査」の調査結果によるものです。この調査は、大学生向けサービスや大学機関向けサービスを行う事業者を対象に、電話やEメールによるヒアリング調査を行ってまとめたものです。その結果、2007年の大学生向け総合マーケットは、1兆4,460億円で、前年度比1.1%増となることが分かりました。
大学生向けマーケットとは、大学生や大学機関を対象にした商品やサービスのことです。この調査では、これらの商品やサービスを「勉学関連市場」、「学割・学生サービス市場」、「就職関連市場」、「卒業旅行・留学関連市場」、「大学機関向けITサービス・システム市場」などに分類して調査を行いました。
これらの商品やサービスは、2004年度から一貫して拡大傾向にありますが、中でも「就職関連市場」や「大学機関向けITサービス・システム市場」は成長産業で、これらの市場の拡大が大学生向けマーケット全体の拡大につながっているようです。
特にITサービスの分野は、今後の潜在需要も見込まれ、今後もますます拡大する可能性があります。IT関連のサービスは多岐に渡っており、大学へのパソコン納入やネットワーク整備のほか、携帯電話を利用した出欠管理システムや電子マネー搭載型学生証などの新しいサービスやシステムを提供する事業者もあり、新規参入が多く、競争も激しくなっているということです。
これらの大学生向けマーケットには企業の採用動向が大きな影響を与えます。「就職関連市場」が企業の採用動向の影響を受けるのはもちろんですが、他の市場も直接的・間接的に影響を受けているようです。
例えば2007年度の場合、「勉学関連市場」は前年に比べややマイナスでしたが、これは、採用を増やす企業が多く学生が比較的就職しやすかったことから、就職のための資格取得に対する意欲が上がらなかったことが原因と見られています。反対に、採用時期が早まり、学生の内定獲得も早まったため、卒業旅行に複数回行く学生が多くなり、「卒業旅行マーケット」は拡大しました。
こうしたことから、今後も企業の採用動向が大学生向けマーケットに影響を与えると予想されます。特に2008年度以降は、これまで学生の「売り手市場」だった状況が一転する可能性もあり、それにともなって大学生向けマーケットもマイナスになるのではないかと予想されています。
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投稿者 kksblog : 2008年08月28日 17:03