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日本の教科書は分量が少ない―文部科学省「教科書の改善・充実に関する研究報告書」より (2008年08月07日)

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文部科学省は、「教科書の改善・充実に関する研究報告書」を公表しました。

この研究は、小学校の国語と算数の教科書を対象に教科書の改善・充実のための参考にするために行われたものです。大学等の研究者や現職教員、教科書の著者等で構成する専門家会議を中心に、教員・保護者に対するアンケートを実施し、今後の教科書の改善に役立てようというものです。

この結果、保護者や教員の多くが、「教科書の分量が少ない」と感じていることが分かりました。このため専門家会議では、教科書の分量を増やすことなどを盛り込んだ提言を行っています。

このアンケートは、小学校の国語と算数についてシェア上位3位のいずれかの教科書を使用している教員と児童の保護者を対象に行われました。

このうち、小学校の国語については、3割近くの教員が教科書に不満を感じており、「教科書の練習問題等の分量が少ない」などの理由から、約半数の教員が教科書準拠の副教材や補助教材を使用していると回答しています。内容別では、「話すこと、聞くこと」「書くこと」「言語事項」に比べ、「読むこと」に関して少ないと考えている教員が多いようです。

一方、保護者は現在の国語教科書に対して6割以上が満足しており、教員よりも満足度が高いことが分かりました。ただし、自由記述欄では、「分量的にやや物足りなさを感じる」「もう少し難しい文章や長い文章も読んだり理解したりできるのではないか」などの意見があり、分量を増やしても良いという考えがうかがえます。

このため、国語専門家会議は、教科書の改善・充実に向けた提言として、
・教科書の分量を増加させる
・国語の配当時数を増加させる
・読書量確保のために文章数・量を増加させる
・繰り返し学習などトレーニング的要素を拡充させる
などを挙げています。

また、算数の教科書については、8割以上の教員が教科書の練習問題の分量が少ないと感じており、約8割の教員が教科書準拠の副教材や補助教材を使用しています。同様に、保護者も教科書の分量や練習問題の量が少ないと感じる割合が多く、自宅での学習にはあまり適していないと感じている保護者が多くいました。

このほか、「内容を説明するためのイラストがやや多い」「児童の理解度に応じた指導を行うための工夫が少ない」などの意見がありました。

このため、算数専門家会議は、算数教科書の改善充実に関する提言として、
・練習問題の増加
・新しい単元に入るときの導入の工夫
・イラストに頼りすぎず、文章記述の重視
・つまづきやすい箇所での一層の配慮
の4つを挙げています。

文部科学省が「脱ゆとり」を掲げていることもあり、今後は、教科書の分量もますます多くなるかもしれませんね。

教科書の改善・充実に関する研究報告書について



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投稿者 kksblog : 2008年08月07日 17:12


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