●「憮然とした顔」ってどんな表情? 国語に関する世論調査公表 (2008年07月27日)
このほど文化庁より、平成19年度『国語に関する世論調査』の結果の要点が発表されました。
今の日本語は、79.5%の人が乱れていると感じていて、乱れていないはわずか16%ですので、残念な結果となりました。
憮然として立ち去ったひとは、どんな顔の様子を想像しますか?
「憮然」のイメージとして多くの方が〈腹をたてて怒った様子〉というのではないでしょうか?しかし「憮然」の本来の言葉の意味としては、〈失望してぼんやりしている様子〉なのだそうです。
今回の調査でも約7割の人が、怒った様子と答え、失望した様子という答えは16%でした。
普段使っている言葉でも、実は間違った使い方で身についていることがあります。
これもそのひとつです。「卑劣なやり方で、失敗をさせられること」を慣用句でいうと、【足下をすくわれる】と答える人が全体の3/4で、本来の使い方【足をすくわれる】を使う人は少数派、圧倒的にくずした言い回しが本来を超えたということです。
きちんと学びをしなければ、次第に原型をとどめない日本語になってしまうのでしょうか?
この調査によると、国語力向上のため行政に求めるのは学校教育の充実のようです。
国語をしっかりと教え、言葉環境を良くし、言葉遣いのモデルとなる学校教育を、確かな教員を以ってすることだということです。
「習うより慣れろ」式ではなく、きちんとセオリー通りに順序だてて学ぶ時期を過ごさなければいけないということなのでしょう。
またこの調査結果では不思議なことに、乱れている国語への課題について目を向けると、社会全体の課題点と自分自身の課題点とでは別の答えが出ました。
全体での課題点TOP3の項目です。
① 敬語等の知識不足
② 他人の話を聞けない
③ 相手の立場や場面が思いやれない
これが自分自身の課題点には該当しないのです。自分は、敬語がちゃんと使えるし、人の話もちゃんと聞ける、相手を思いやることなら任せとけ・・・。でも周りの人たちはどうもできていないな・・・。」と感じているということなのでしょうか。
相手の言った一言で、嬉しかったり悲しかったりすることば。ことばの持つ力の大きさを感じながら使うことができていることが、一番大切だと思います。
それでもやっぱり、きれいな言葉で話す人は、とても素敵ですよね!
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投稿者 kksblog : 2008年07月27日 20:46