●日本の先生の給与は、イギリスやアメリカなどの主要先進国平均よりも高い? (2008年07月24日)
財務省は、「日本の財政を考える」と題した統計資料を発表しました。
この資料の中の43ページに「各論4.文教・科学技術」という項目があります。この中で、財務省は「少子化の進展で児童生徒数は減少する一方、公教育費はほぼ横ばいであり、児童生徒1人当たりの公教育費も教職員数も大きく増加しています。今後は、メリハリ付けを一層徹底し、教育の質の向上につながる予算としていく必要があります。」と述べました。
具体的に見てみると、児童生徒1人当たりの公教育費は平成元年に比べて51%上がっています。平成元年は57.8万円でしたが、平成17年には87.0万円となりました。児童生徒40人当たりの教職員数は、平成元年に比べて32%上昇しています。平成元年は2.05人でしたが、平成17年には2.70人となりました。
公立小中学校の児童生徒数は、平成元年に1488万人いましたが、平成17年には1043万人となり、30%の減少となりました。教職員定数は、平成元年には76.2万人でしたが、平成17年には70.3万人となり、8%の減少となりました。
また、財務省は「日本の1クラス当たりの児童生徒数は多いとの指摘がありますが、教員1人当たりの児童生徒数は主要先進国と遜色ない水準であり、教員の数が少ないわけではない」と主張しています。
国別で比較してみると、1クラス当たりの児童生徒数は、日本が小学校で28.3人、中学校で33.4人となっていますが、アメリカでは小学校で23.6人、中学校で24.9人、イギリスでは小学校で25.8人、中学校で24.3人となりました。全体の平均は小学校24.4人、中学校26.1人です。
一方、教員一人当たりの児童生徒数は、日本が小学校で19.4人、中学校で15.2人となっていますが、アメリカでは小学校で14.9人、中学校で15.7人、イギリスでは小学校で20.7人、中学校で18.6人となりました。全体の平均は小学校18.6人、中学校15.8人です。
また、財務省は「日本の教員給与は主要先進国(G5)平均よりも高い水準である」と述べています。勤続15年の給与を国別で見てみると、日本は小学校、中学校ともに対一人当たりGDP比で1.56、アメリカは小学校が0.97で中学校が0.98、イギリスは小学校と中学校ともに1.33、全体での平均は小学校で1.30、中学校で1.33となっています。
財務省は上記のように述べていますが、たとえば、「教員一人当たりの児童生徒数が…」といっても各国によって教育システムが違いますから、単純に平均値だけで比較することは難しいでしょうね。
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投稿者 kksblog : 2008年07月24日 21:16