●「仕事と家庭の両立は当たり前」の社会を目指して―厚生労働省「今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会」報告書 (2008年07月15日)
厚生労働省は「今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会」の報告書を公表しました。
仕事と子育ての両立は少子化対策を考える上でとても重要な問題です。同研究会では、平成19年9月から仕事と子育ての現状や今後の課題について検討してきました。今回まとめられた報告書では、労働時間の短縮や父親が子育てに参加しやすい仕組み作りなど、「子育てしながら働くことが普通にできる社会」へ転換することが必要であるとしています。
報告によれば、平成17年度現在、育児休業制度の規定がある事業所は61.6%、女性の育児休業取得率は72.3%で、以前に比べ育児休業制度自体は整ってきています。その一方で、第一子出産を機に退職する女性の割合は7割にものぼり、出産後も継続して仕事を続ける人の割合は過去20年間でほとんど変化がありません。
出産後に仕事を辞める理由としては、「(両立するには)体力がもたない」がトップに挙げられたということです。これは、男性の育児休業取得率が0.50%(平成17年度)であるなど育児の負担が女性に集中しがちであることや、長時間労働などで育児の時間を確保しにくいことなどが背景にあると考えられています。
そのため、仕事と育児の両立のために今後必要なのは男性も女性も子育てをしながら働くことができる仕組みを作ることであるとしています。
具体的には
・短時間勤務や所定外労働免除制度の導入
・在宅勤務ができる環境作り
・子の看護休暇の導入
などにより、柔軟な働き方ができるようにすべきであるとしています。
また、出産前後だけでなく、子どもが入院などで長期に療養が必要な場合に、再度育児休業ができるようにするなど、状況に合わせて支援できる体制を整えるべきであるとしています。
確かに短時間勤務や在宅勤務などの制度があれば子育てと仕事は両立しやくなるとは思いますが、単に制度を作るだけでは不十分な気もします。これらの制度を導入することが企業側にもメリットになるような仕組みがないと、仕事と子育ての両立が可能な社会にはならないのではないでしょうか。
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投稿者 kksblog : 2008年07月15日 16:00