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中学受験をする子どもは心身への過度負担、しない子どもは学習不足が問題に (2008年07月08日)

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株式会社ベネッセコーポレーションの社内シンクタンクである「Benesse教育研究開発センター」では、2007年12月に、全国の公立小学校に通う6年生1,501名とその保護者1,504名を対象に、「中学校選択に関する意識と行動について」の調査を実施しました。

今回の調査では、中学受験をさせる予定の保護者は13.2%でした。そのうち 60%が私立中学校、14%が国立大学の附属中学校、24%が公立中高一貫校を第一志望にしていることがわかりました。

居住する自治体に学校選択制が「導入されている」と認識している保護者は全体の24.4%で、そのうち半数がどの公立中学校に進学させるかを「考えた」と回答しています。また、中学受験をさせる予定の保護者は、「特別区・指定都市」で20%を超える一方、「5~15万人」「5万人未満」の自治体では10%に満たないことも明らかになりました。

さらに中学校選択の機会の有無は世帯収入や保護者の学歴などによって異なっているようで、中学受験をさせる予定の保護者は、世帯年収1000万円以上では32.4%であるのに対し、400万円未満は6.8%となりました。また、母親の学歴が大学・大学院の場合は27.8%に対し、高等学校の場合は6.6%にとどまりました。

中学受験をする予定の子どもは、受験を積極的に評価している一方で、保護者からのプレッシャーを感じている(平日学習時間:私立中学第一志望者、208.7分、公立中高一貫第一志望者、118.0分)ことが明らかになりました。一方、公立中学校に進学予定の子どもは、生活にゆとりがある反面で学習時間は受験する子どもの半分に満たないようです。

中学校進学段階で「中学校を受験する」「地元の中学校に進学する」などの学校選択をすることは、その過程で保護者と話し合ったり、主体的に自分の進路を決定したりなどのメリットがある一方、受験をする子どもには心身への過度な負担、受験しない子どもには学習量の不足が懸念される、とBenesse教育研究開発センターは指摘しています。

子どもの将来を考える上で中学校の選択は大変重要なものですが、中学受験をする場合でもしない場合でもそれぞれにメリット・デメリットがあります。どちらを選択するのかは子どもと親の意思、そして経済状況や住んでいる場所にも深くかかわってくるでしょう。決める時には、学校の先生方の意見なども聞きながらじっくりと検討していってください。

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投稿者 kksblog : 2008年07月08日 20:30


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