●学力向上に大切なのは、朝ごはんと前向きな気持ち 東京都教育委員会の調査 (2008年07月04日)
東京都教育委員会は、平成20年1月に実施した「児童・生徒の学力向上を図るための調査」の結果を報告書にまとめ、公開しています。この調査は「確かな学力」について2通りの調査を行いました。
まずは公立小学校の5年生および公立中学校の2年生を対象にした、「確かな学力」の伸長を図るための調査(問題解決能力等に関する調査)です。各教科の学習で身につけた知識や技能、思考力や判断力を活用して、問題解決を図るために必要な諸能力の状況をみるためのものです。
次に公立小学校の4年生および公立中学校の1年生を対象にした、「確かな学力」の定着を図るための調査(基礎的・基本的な事項に関する調査)です。国語、算数・数学の学習指導要領に示されている内容に基づいた基礎的・基本的な事項についての状況をみるものです。
さらに学習に関する意識調査も同時に行っています。学習そのものについての意識の他、生活態度や将来、社会に対する意識などを調べ、学習調査の結果と照らし合わされています。
その結果、学力の定着については全体的におおむね良好でした。一方、問題解決能力については、長い文章を読んで内容を把握することや、情報を整理して判断をすることなどに課題があり、活用や応用についての指導が必要だと考えられます。
朝食と学習については、これまでもさまざまな調査で言われていますが、この調査でも朝食を食べる頻度と平均正答率に相関関係が見られました。学年、調査の違いに因らず頻度が増すごとに正答率も上がり、「必ず食べる」と「食べない」の間では正答率に10〜20%の開きがありました。
また、「身の回りのことを自分でしようとしている」「将来、社会や人のために役立つ仕事がしたい」といったことに肯定的に答えている児童生徒は、問題解決能力の調査結果がよい、という結果が出ています。物事に対する積極性、能動性が問題解決能力を高めると言えそうです。
この結果から、授業改善などの学校での取り組みを行うのはもちろんですが、生活態度、意識が学力に影響を及ぼしていることが明らかになっていることから、家庭での取り組みも必要でしょう。学習指導要領に「生きる力」とありますが、学力を単純に学校の成績と捉えるのではなく、考える力、物事を解決していく力と捉え、学校、家庭、地域などは、子ども達にその力を身につけさせる取り組みをそれぞれに行っていくことが大切なのではないでしょうか。
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平成19年度「児童・生徒の学力向上を図るための調査」の結果について
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投稿者 kksblog : 2008年07月04日 09:34