●奈良県立教育研究所「特別支援教育ガイド3『新しい学びの創造』~生徒編~」 (2008年07月04日)
「特別支援教育」が本格的に実施され、人々の意識も変わりはじめています。ちょっと変わった子や育てにくい子に対して、本人の努力不足や親の育て方のせいだという捉え方になりがちだったのが、その子自身の発達的な課題ととらえなおそうという風に意識が変わってきています。
奈良県立教育研究所では、『新しい学びの創造』として、特別支援教育のとらえ方、校内支援体制づくりや連携のあり方、子どもが困っていることへの気付きから、支援の手立てへの流れなどを、わかりやすくまとめた冊子として今までに「幼児編」と「児童編」を発行しています。
この度の「生徒編」は、大人への入り口に立つ生徒たちに向けてのものとなっています。
不登校や非行の背景に、ADHDやアスペルガー症候群がある場合もあるものの、その場合でも、ADHD等が不登校や非行の原因のすべてではないことも事実です。
また、子どもの場合、大人とは症状の出方が違います。特徴としては、自律神経系の反応が出やすいといった傾向があります。頭痛や腹痛などの身体症状が、登校のしづらさ、教室への入りづらさのシグナルになることもあるということは、日常的にみられる子どもたちの状態でもあります。
自分の気持ちが自分で分からない、言葉で表現できない、あるいは、常に不安で緊張しているといった子どもも増えています。そういったことから、特別支援の必要性が判断しにくいこともあるでしょう。
中学校・高等学校における特別支援教育としては、発達上の課題を意識して、生徒を多面的にとらえ、ニーズがどこにあるのかをみる必要があります。これまでの学習や生徒指導について情報交換の場に加え、そこにこうした「発達的な視点」をもって、特別支援教育コーディネーターが、情報収集、支援策の構築、支援の実施に必要な話し合いの場をコーディネートできるように、ということが、この「生徒編」では、示されています。
これから社会へと巣立っていくであろう子どもたち、少しでも多くの子どもたちが自分の足で自分のペースでしっかり歩んでいけるよう、導いてあげるのが大人のつとめですね。
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投稿者 kksblog : 2008年07月04日 00:02