●脊椎動物の起源が明らかに―国立情報学研究所ナメクジウオゲノムの解読に成功 (2008年07月01日)
国立情報学研究所が、ナメクジウオゲノムの解読に成功したことを発表しました。この研究は、京都大学、国立遺伝学研究所、理化学研究所と共同で行ったものです。
脊索動物であるナメクジウオは、ヒトなど脊索動物の一種である脊椎動物の祖先と考えられています。これまで、脊索動物はホヤなどの尾索類→ナメクジウオなどの頭索類→脊椎動物の順に進化したと考えられ、ナメクジウオの研究は脊椎動物の進化を知る上で重要とされてきました。
今回ナメクジウオの遺伝情報(ゲノム)を解読したことで、ナメクジウオとヒトの遺伝子に共通する部分が多くあるなど、脊椎動物の進化と起源について多くのことが分かりました。
今回の研究では、ナメクジウオとヒトの遺伝子組成がとても似ていることだけでなく、ナメクジウオゲノムの1箇所の染色体が脊椎動物ゲノムでの4箇所の染色体に対応することが多いことも分かりました。このことから、進化の過程でゲノムの重複が2回起こったことが分かりました。
また、今回のゲノム解読で明らかになった遺伝子を比較した結果、脊索動物の中でナメクジウオが最初に進化したことも分かりました。これは従来の考え方を覆すもので、ナメクジウオなどの頭索類からホヤなどの尾索類や脊椎動物が進化したことが明らかになりました。
今後は、ナメクジウオに進化する前の脊索動物の共通の祖先がどんな動物であったか、また、ナメクジウオから2回ゲノム重複が起こった後、どのようなゲノム進化が起こったのかなどについて研究されるということです。
ゲノム解読についても、技術の進歩によって詳細な解読が可能になっており、今回のナメクジウオゲノム解読で培われた技術が、今後のゲノム研究にも活かされるということです。
■関連記事
「発展がどうして起こるか?」動画で見てみましょう!
不眠症・鬱症状・不登校は遺伝子のせいだった!? 新遺伝子「時計じかけのオレンジ」発見
« 平成19年度・確かな学力の育成に関する意識調査報告~新宿区 | トップページへ セカンドライフでオープンキャンパス »
最新記事一覧
- 汚れが気になる人向け、「MONO」シリーズから黒色消しゴムが新登場(2013年10月08日)
- きれいな文字が書ける『文字力アップノート』発売~ナカバヤシ
- 教室とeラーニングをシームレスに連携させるシステム タブレット版も登場
- ソフトバンクの選手といっしょに練習できる野球教室 参加者募集中!
- 授業改善に役立つパンフレット『授業アイディア例』を作成~国立教育政策研究所(2013年10月07日)
- 『ジェットストリーム』から操作性、高級感を両立した社会人層向けペンが登場
- 教育用ICT機器は市場拡大の一途、タブレット端末が牽引する見込み
- この秋、東京国立博物館のワークショップで歴史上の「文化」を体験しよう
- クリスマスを外国で過ごせる学生向けホームステイ語学研修
- サッカーキッズ育成「オンライン自主練サービス」の試験運用が開始されています(2013年10月05日)
- 日本人の国語に関する意識や理解の現状について調査~文化庁(2013年10月04日)
- スマートフォンやタブレットを使っていても、やっぱり仕事の相棒は「ノート」
- 日本食文化・川場の食材・自然写真を融合「KAWABA国際自然文化サミット」【10月5日~20日、10月18~20日群馬県川場村】
- シヤチハタより「おりがみ工場」大人向けパッケージ版が発売されています
- 偏差値やイメージに隠れた大学の真の姿を公開したデータ集を刊行(2013年10月03日)
投稿者 kksblog : 2008年07月01日 15:37