●地方での教育に係る費用の減少が続いている 平成19年度地方教育調査 (2008年07月16日)
平成19年度地方教育費調査および教育行政調査の中間報告が、文部科学省のサイトで公開されています。調査対象は大学、短期大学を除く公立の学校ならびに都道府県および市町村の教育委員会で、学校教育、社会教育および教育行政にかかる経費、また地方教育行政機関の組織状況を明らかにすることが目的です。
地方教育費についての調査において、地方教育費の総額は、前年度より3299億円減少しており、10年連続の減少となりました。教育分野別にみると、学校教育費、社会教育費、教育行政費の各分野でいずれも減少しています。財源別では、都道府県支出金および地方債を除き、その他の国庫補助金や市町村支出金などは減少しています。
公民館や図書館など、生涯学習に関わる社会教育費も10年連続で減少しています。前年度まで大きく減っていた資本的支出、つまり建設などにかかる費用はやや減少がゆるやかになりましたが、人件費を含む消費的支出、債務償還費の減少幅が大きくなっています。
また教育委員会の組織状況について調べる教育行政調査によると、市町村教育委員会の数は、市町村合併により約600委員会が減っています。構成する教育委員の内訳を見ると、女性教育委員の割合が増加傾向にあり、特に市町村教育委員会でここ10年間で約15%から30%に増加しています。教育委員に登用される保護者の数も増えており、都道府県、市町村共に増加傾向にあります。
国や地方、家庭まであらゆる場で財政難が叫ばれているような昨今、教育の現場でも支出を抑えるべきなのかもしれません。だからといって単純な経費削減を強いることは、教育の質の低下に結びつきかねません。調査の結果から適正な資金の配分がなされているか、分析されることが望まれます。
教育委員への保護者の登用は、教育を提供する立場と受ける立場の双方の視点を持てるという点で評価できるのではないでしょうか。しがらみにとらわれない女性・保護者の立場から、行政の無駄を省いた風通しの良い現場を実現させてもらいたいですね。
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投稿者 kksblog : 2008年07月16日 16:20