●日本で暮らす外国人の子どもたちへの 日本語教育支援マニュアル (2008年06月30日)
日本で働いている外国人の数は年々増加傾向にあります。家族と共に、または自国から呼び寄せて共に日本で暮らし始める人、定住を決意する人もいます。日本で暮らす外国人には、子どもの就学の義務はありませんが、子どもにとって教育が大切であることは国籍を問わず明白なことです。
特に1990年に出入国管理及び難民認定法の一部が改正されたことを受けて、ブラジルの日系3世まで自由な就労が認められたことから、日本で就労する外国人の約3割を日系人が占めているようです。その日系の人々が多く暮らす愛知県の教育委員会では「外国人子女のための指導マニュアル」を作成・活用しています。
このマニュアルのねらいは、日本での生活を円滑にするためだけでなく、日本における学習の基礎となる、日本語の聞き取り、会話、読み書きをできるようにすることです。ある程度、日本語を聞き取って理解できる能力のある子ども達を対象にしているので、内容は国語と似ています。しかし異なる生活習慣や元々の母国語を持つ子ども達に対しては、外国人児童生徒を対象とした外国語教育という立場で指導すべきだとしています。
マニュアルの概要は、以下のようなものです。
・日本語指導の基本的な考え方
・あいさつをしよう
・もじをおぼえよう
・ことばをおぼえよう
・かずをかぞえよう
・おはなしをしよう
・「動詞・形容詞・助詞」をおぼえよう
・かんじをよもう
・ぶんをかこう
教材にはイラストを多用し、言葉を使う状況や文字を覚えやすいように工夫されています。また文字の読みは、ポルトガル語・スペイン語の発音を利用し、自分で学習できるように配慮されています。
さらにこのマニュアルの他に、日本語が理解できない保護者のために、学校から配布される文書や入学時に必要な提出書類などをポルトガル語訳した例文が作られています。
介護や看護など、人手不足の現場に外国人を雇用する構想もあり、今後こういった外国人の子ども達をサポートする必要が増してくるのではないでしょうか。学校で読み書きを覚えた子ども達が、仕事で忙しいパパママの先生に、そんな風に支え合えたらすてきですね。
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投稿者 kksblog : 2008年06月30日 06:12