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「日本的高卒就職システム」の変容と模索―労働政策研究報告書 (2008年06月17日)

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労働政策研究・研修機構が、『「日本的高卒就職システム」の変容と模索』という報告書を出しました。これは、最近10年間における日本の高卒就職の現状を調査・分析したものです。

この報告によると、多くの先進諸国では高等教育を受けなかった若者は安定的な就業を望みにくいのに対し、日本では学校と企業との連携によって高校生の就職を支援する仕組みが整えられてきました。今回の報告では、この10年間の高卒就職の状況の変化について統計データやインタビュー調査による分析を行っています。

この報告では、学校と企業とが連携し、「推薦指定校制」などによって高校生の就職を決定する仕組みを「日本的高卒就職システム」と定義しています。報告によると、大学進学率の上昇や、高卒者向けの求人数の低下などに伴い、高卒労働市場の規模が小さくなり、学校と企業との連携も弱まっているということです。

また、学校が生徒の就職先を決める「推薦指定校制」では、学校にとっても企業にとっても安定的で合理的なシステムである反面、「良い成績=良い就職先」というパターンになりがちで、生徒自身の希望や就職後のキャリアへの目配りが不足しがちであることも指摘しています。

その一方で、学校と企業の連携は今後も一定規模で残ると予想しています。特に、知名度の低い中小企業は人材を確実に得ることのできるこのシステムを評価していること、工業高校など確かな技術を身につけている専門高校では、需要と供給のバランスがとれていることなどがその理由です。

今回の報告には今後に向けての提言も盛り込まれていますが、それによると、ハローワークが従来学校が行ってきた就職マッチングの役割を担うなど、ハローワークの役割が重要になるということです。また、従来のシステムではあまり重視されてこなかった保護者の役割が大きくなり、保護者への情報提供などが必要になるということです。

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労働政策研究報告書No.97 『「日本的高卒就職システム」の変容と模索』
資料シリーズNo.39 『「日本的高卒就職システム」の変容と模索―資料編―』



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投稿者 kksblog : 2008年06月17日 15:58


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