●通学時の安全を考える 国内外でのスクールバスの活用状況など調査 (2008年05月14日)
ゴールデンウィークも終わり、一年生もそろそろ学校に馴染んできた頃でしょうか。それでも親の心配は尽きないもの。物騒な事件の多い昨今、大人の目の届かない登下校時は尚更です。
文部科学省では、子ども達の登下校における安全確保の一つの手段として、スクールバスの活用が有効であるとして、国内の小中学校及び諸外国におけるスクールバスの実態を調査し、その結果を「国内におけるスクールバスの活用状況等調査報告」及び「諸外国におけるスクールバスの活用状況」としてとりまとめました。
国内では、バス導入の目的、専用バス・路線バス等の別、年間運営費用等を調査しました。また、特徴的な事例について、20地方公共団体の聞き取り調査を実施しました。幼稚園や保育園ではバス通園が一般的ですが、小学校以上でのバス通学はあまり例がない印象があります。
実は多くの市区町村においてスクールバスは導入されており、導入している自治体の数は1,132自治体、割合にすると62.7%にもなります。しかし利用している児童生徒数は約18万人、全小中学生数の約1.7%にとどまっています。
スクールバスの利用目的は、安全対策の他、遠距離通学への対応があり、これが導入している自治体数と利用する子どもの数とのずれになっているものと思われます。また専用バスの他、路線バスや企業バス、タクシーなどを活用している例も見られます。
諸外国については、米国、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデン、韓国、オーストラリアの状況について、国全体の状況、原則2つの地域の状況について調査を実施しました。米国、ドイツなどでは活用が進んでいますが、韓国などでは少ないようです。イギリスではあまり普及していませんが、自家用車での送迎が交通渋滞の原因ともなっているため、現在スクールバスの推進を図っているようです。
日本の都市部では登下校にそれほど時間のかかる地域はありませんが、防犯の面で不安がぬぐえません。PTAや地域による見回り、防犯マップの作成、不審者情報の配布など、さまざまな対策も取られていますが、万全とは言えないのが実情です。
バスによる登下校は、不審者との遭遇や交通事故のリスクは低くなります。それでも、登下校時の地域の人たちとのふれあい、道ばたの草花摘みや石けり…そんな下校時の楽しみを大切にしてほしい、と思ってしまうのは、現代にはそぐわない、頭の古い考え方なのでしょうか。
■関連記事
登下校時の安全確保について 〜文部科学省より依頼〜
ICタグを利用し、子供の安全を見守る学校防犯システムが販売開始されています
平成18年度少子化社会白書、支援策は「放課後子どもプラン」と安全対策
「国内におけるスクールバスの活用状況等調査報告」及び「諸外国におけるスクールバスの活用状況」について
« 児童の権利に関する条約第3回政府報告~外務省 | トップページへ MSが学生対象にプロ用開発プログラムを無償提供 »
最新記事一覧
- 汚れが気になる人向け、「MONO」シリーズから黒色消しゴムが新登場(2013年10月08日)
- きれいな文字が書ける『文字力アップノート』発売~ナカバヤシ
- 教室とeラーニングをシームレスに連携させるシステム タブレット版も登場
- ソフトバンクの選手といっしょに練習できる野球教室 参加者募集中!
- 授業改善に役立つパンフレット『授業アイディア例』を作成~国立教育政策研究所(2013年10月07日)
- 『ジェットストリーム』から操作性、高級感を両立した社会人層向けペンが登場
- 教育用ICT機器は市場拡大の一途、タブレット端末が牽引する見込み
- この秋、東京国立博物館のワークショップで歴史上の「文化」を体験しよう
- クリスマスを外国で過ごせる学生向けホームステイ語学研修
- サッカーキッズ育成「オンライン自主練サービス」の試験運用が開始されています(2013年10月05日)
- 日本人の国語に関する意識や理解の現状について調査~文化庁(2013年10月04日)
- スマートフォンやタブレットを使っていても、やっぱり仕事の相棒は「ノート」
- 日本食文化・川場の食材・自然写真を融合「KAWABA国際自然文化サミット」【10月5日~20日、10月18~20日群馬県川場村】
- シヤチハタより「おりがみ工場」大人向けパッケージ版が発売されています
- 偏差値やイメージに隠れた大学の真の姿を公開したデータ集を刊行(2013年10月03日)
投稿者 kksblog : 2008年05月14日 11:36