●本の貸し出しだけではもったいない 学校図書館の状況調査 (2008年04月29日)
文部科学省では、学校図書館について司書教諭などの配置状況、図書の整備状況、図書の購入額、読書活動の状況などを調査しています。この度平成19年度の調査結果が同省のサイトに掲載されました。
Photo by Elliot Nevills
学級数が12以上の学校での司書教諭の発令は、小・中・高等学校いずれも9割以上でなされていました。蔵書冊数は全ての校種でそれぞれ増加しています。しかし学校図書館図書標準を達成している学校の割合は低いままとどまっています。読書活動の状況については、多くの小・中学校において朝読書など、全校一斉の読書活動が行われるなどの取り組みが進んでいるようです。
平成14年度の学校図書館法の改正により、全国の学級数が12以上ある小中高校には、司書教諭を必ず置くこととされています。これを受けて、全国ほとんどの学校に司書教諭の発令がされていますが、わずかですが未発令の学校もありました。いずれの校種も、国立、公立、私立の順に発令されている割合が高くなっています。
しかし司書教諭の担当職員数の内訳を見ると、国公立では常勤職員の数が少なく、逆に私立では常勤職員の方が多くなっています。国公立では学校の教員の数が定められているため、司書教諭は非常勤の事務職員となっていることが多いなどの実情があるようです。
蔵書については、1校当たりの増加冊数が特別支援学校も含めた全ての校種でプラスになっています。特に中等教育学校では、前期課程は797冊、後期課程は327冊と大きく増加しています。しかし小中学校における学校図書館図書標準の達成状況を見ると、達成している学校は小学校で42%、中学校で37%と、いずれも半数を割っていました。
これからの学校図書館には、単に貸し出しができる本を置いてある場所ではなく、読書の推進、資料・文献を活用した調べ学習の場、また学校の情報化の拠点といった役割が期待されています。司書教諭が学校に配置されることにより、これまでの蔵書の有効活用や、読書活動推進のための全校的な取り組み、蔵書検索のシステム化や自治体の図書館との連携など、学校図書館の利用の幅を広げる活動が可能になるのではないでしょうか。
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投稿者 kksblog : 2008年04月29日 05:44