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ネット上の翻訳サービスを、一つに連携させるツールの開発がはじまっています (2008年04月23日)

NICTと大学、NTTなどの研究グループは、産官学民の体制でインターネット上の多言語サービス基盤「言語グリッド(Language Grid)」の開発に着手しています。

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by woodsy

インターネットは人々を繋いだといわれていますが、言語の壁は厚く、思考の世界はまだ繋がれていません。その問題点をカバーするために、言語グリッドは専門家だけの力ではなく、多くの人々の力を集めて言語の壁を越える試みをおこなっています。

インターネットの言語人口は多様化し、標準言語がなくなってきています。英語人口は35%程度で、残りは英語以外の欧州言語とアジア言語が半々です。そのためインターネットから情報を得るには多くの言語を理解する必要がありますが、機械による翻訳の品質はまだ十分ではないのが現状です。

すでに世の中には専門家が開発した多くの言語サービスがありますので、それを言語グリッドがインターネット上で連携させる。そして、さらに人々が言語グリッドに自分たちの言語資源を追加し、言語グリッドの提供する支援を用いて自分たちのための言語サービスを開発していく。これが、言語グリッドのいう「言語バリア」の克服法です。

すでにインターネットには、電子辞書などの言語資源や機械翻訳などの言語処理のための機能がどんどん蓄積され始めています。しかし、 国際的な異文化コラボレーション活動の現場で、ユーザがそうしたサービスを利用することは困難です。

その理由は、言語サービスの費用は、機械翻訳システムでは言語対あたり年間100万程度、対訳辞書では言語あたり10万程度が必要で、世界の言語をカバーするには多くの予算を必要とするからです。また、言語サービスは契約や知財が複雑化していて、利用方法が標準化されていないので、利用がとても難しいのです。

具体的に言語グリッドプロジェクトは、医療支援現場で専門家が記述した用例対訳と、現場で作成した用例対訳を組み合わせて通訳ボランティア活動の支援を行っています。また、子どもたちのコミュニケーション現場で、活動をサポートするボランティアスタッフ(日本、韓国、オーストリア)のコミュニケーションの支援も行ってきています。

子どもたちが世界中の人とコミュニケーションを取りたいと思った時には、このようなツールが近い将来、大活躍してくれるのでしょう。地球はどんどん小さくなってきているといわれていますし、これからは学校の授業の中でも、世界のニュースなどをもっと子どもたちに伝えていく必要があるのかもしれません。

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言語グリッド



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投稿者 kksblog : 2008年04月23日 21:47


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