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授業でテレビゲームをする日が来るかも? ゲーム研究者インタビュー (2008年03月14日)

勉強や日常生活に役立つソフトのヒットや、インターネットや映画なども見られるゲーム機の登場により、家庭用テレビゲームはかなり市民権を得てきたように思われます。しかしゲーム研究者の視点からは、日本のテレビゲームは技術や内容に見合った評価をされていないということです。

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Photo by 工藤隆蔵


社団法人コンピュータエンタテインメント協会のサイト「ゲーム研究データインデックス」に、東京大学の馬場 章教授のインタビューが掲載されています。馬場教授によると、日本のゲーム産業は世界屈指のレベルにもかかわらず、国内では軽んじられているといいます。大人も子どももゲームで楽しんでいるのに、どこか否定的に捉えられているからです。

「ゲーム脳」という言葉が一時期話題になりました。テレビゲームをしたプレイヤーの脳波の形状が、認知症の老人の波形とよく似ていたことから、テレビゲームをすることで脳の働きが不活性化する、というものです。しかし波形の類似から危険と言うのは論理の飛躍であり、また他の研究者の追実験による立証も行われていない、と指摘しています。

むしろゲームを授業に取り入れることで、子ども達のモチベーションを高め、学習意欲を引き出す効果があるようです。教育に効果のあるデジタルゲームのことを「シリアスゲーム」と呼び、アメリカではもう20年以上も前から言われているようですが、やっと最近日本でも使われるようになりました。

例えば歴史の勉強は、歴史上の出来事やそれにまつわる地名や人名、年号などを暗記していました。これを歴史シミュレーションゲームを使うことで、学習意欲が上がる、記憶する事柄が定着しやすい、歴史を観念的にすることができる、といった効果が現れているそうです。

デジタル技術によってゲームは格段に進歩し、より面白くなっています。その結果、教育目的の他にもリハビリや医療、政治、経済など様々な分野に広がっていく可能性があります。その中で、馬場教授が会長を務める「日本デジタルゲーム学会」は日本のゲーム研究を作り上げるための活動を行っています。そのためにも、他の分野の研究者がゲーム研究も行うのではなく、自分はゲーム研究者であり、ゲーム研究のために他分野の研究も行う、というスタンスを築いていきたいと考えています。

ゲームソフトの一部には子ども達に有害なものもありますが、今では審査機構ができたことにより、明確な表示がされるようになっています。使い方によって有用にも害にもなる可能性があるのは、ゲームに限ったことではないでしょう。偏見を捨てて上手に使いこなせば、ゲームは教育にとって素晴らしいパートナーとなりうるかもしれません。

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投稿者 kksblog : 2008年03月14日 06:38


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