●自閉症の子どもにはどう対応したらいいの?自閉症教育実践のための本が刊行 (2008年03月04日)
国立特別支援教育総合研究所は、自閉症教育のプロジェクト研究成果の第3弾として「自閉症教育実践マスターブック-キーポイントが未来をひらく-」を刊行しました。
マスターブックには、自閉症教育の7つのキーポイントを中心に特別支援学校(知的障害)における活用例も紹介されています。そのエッセンスや紹介されている指導内容、指導方法、自閉症の特性に応じた教育課程は、小・中学校などにおいても応用できるものです。
この数年、発達障害者支援法(平成17年4月施行)や学校教育法などの一部改正(平成19年4月施行)など自閉症のある子どもの教育を推進するための重要な法律が成立し、施行されました。
特別支援教育における「発達障害」には、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害などが含まれ、とくに自閉症のある子どもへの支援の充実が緊急の課題となっています。
一般的に自閉症とは、「顔の表情などで相手の気持ちが分からないなど、非言語行動における対人的相互作用の質的な障害がある」、「話し言葉の獲得の遅れや言葉遣いの奇妙さなど、意思伝達の質的問題がある」、「強いこだわりや固執行動・常同行動がある」という3つの行動の特徴が3歳ぐらいまでに表れる発達障害です。
自閉症の特性に応じた教育をしていくためには、自閉症という障害を理解することが前提。知的発達の遅れのある自閉症の場合は、自閉症と知的障害は異なる障害であることを踏まえて、自閉症の特性を軸とした新たな指導内容や方法が必要になるとマスターブックは指摘しています。
そして、学校全体で自閉症教育に取り組むことも大切なこと。「教育課程」「指導環境」「授業づくり」「指導内容」「指導体制」などをチェックして、学校として教師間で共通理解をし、それを改善していくことが重要だとしています。
自閉症教育は、一般的に難しいといわれています。しかし、マスターブックなどを上手に活用することで自閉症教育に対する知識を増やし、得た知識を実践していくことが今後重要になってくるでしょう。自閉症の子どもは身近にもたくさんいるはずです。学校の先生をはじめ家庭でも、自閉症に対する知識を増やして実践に取り組んでみてはいかがでしょう。
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投稿者 kksblog : 2008年03月04日 21:07