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先生はやっぱり忙しくなっている、だから子どもの自主性を待ってられない? (2008年03月04日)

株式会社ベネッセコーポレーションでは、全国の公立小中学校の教員に、学習指導の実態と教員の意識に関するアンケート調査を行いました。この調査は中学校では97年と02年、小学校では98年と02年に同様の調査が行われています。

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Photo by 坂井 和明


調査の結果、学校の先生達は「忙しい・時間がない」と感じており、実際に以前より退勤時間は遅くなっていることが分かりました。学習・生活の指導については、子どもの自主性尊重から、教育主導でしつけや学力向上重視に大きく転換しているようです。

学校から退勤する平均時間は、小学校で6時53分、中学校で7時25分でした。これは5年前の調査から小学校は24分、中学校は15分遅くなっています。学校にいる時間はいずれも平均11時間超、家での仕事時間も平均1時間以上、およそ一日の半分以上、仕事の時間として費やしていることが分かります。

上記の結果はあくまで平均時間で、退勤時間は中学校で特にばらつきが多くなっています。平均時間に近い7時半頃は15.9%と多くなく、逆に7時頃は23.4%、8時頃19.0%、8時半以降20.6%と、周辺の時間帯の方が割合が高くなりました。平均退勤時間は「8時半以降」を「8時半」として算出されているため、実際にはもっと遅くなる可能性もあるでしょう。

授業内容について、小中学校で共通して「自分で調べること」「表現活動」を取り入れた授業が減っており、「教科書にそった授業」が増えています。また宿題や家庭学習について、宿題を出す頻度、1回当たりの量(費やす平均時間)はいずれも増えています。家庭学習の時間についても、「指導する」と答えた教員の割合、その時間ともに増えています。

児童・生徒の学力については「格差が大きくなった」と感じている教員が増えています。それを反映してか、授業や生活指導で大切にしていることについて、「個性・得意分野を伸ばす」ことよりも「まんべんなく学力をつける」ことを重視している傾向が見られます。教員生活の満足度を見ても、学習指導は子ども・保護者との関係よりも低く、小中学校共におよそ50%にとどまっています。

学力低下、「ゆとり教育」の弊害が問題視されていますが、現場の先生たちもそれを感じているということでしょうか。しかし「生きる力」としての学力を身につけるには、学ぶ意欲が大切なはずです。子どもの「個性」「自主性」を大切にして、意欲を引き出し、可能性を広げる…さまざまな子が集まる公立校にこそ、そんな教育理念を持ってほしいものです。

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投稿者 kksblog : 2008年03月04日 05:42


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