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惑星が生まれる現場の直接撮像に成功!国立天文台の「すばる望遠鏡」が快挙 (2008年03月03日)

総合研究大学院大学、国立天文台などの研究者からなるチームが、すばる望遠鏡コロナグラフ・カメラを用いてFN Tau(おうし座FN星)とよばれる、重さが太陽の10分の1しかない若い星の観測を行い、惑星が生まれる現場である原始惑星系円盤を直接撮像することに成功しました。

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FN Tauの原始惑星系円盤の想像図

今回円盤を観測したFN Tauは、地球から約460光年の距離のおうし座星形成領域にある、太陽の重さのわずか10分の1しかない軽い星です。太陽質量の半分以下の恒星の円盤が画像としてとらえられたのは初めてのことで、これまでに円盤が撮像された最も軽い恒星(TW Hya、うみへび座TW星)と比べて、1/7 の質量しかありません。

発見された円盤はほぼ円形で、これは円盤をほぼ真上から撮像できたことを意味します。円盤の半径は地球・太陽の距離の260倍で、大きさとしてはこれまで他の恒星のまわりに発見しされていた円盤と同程度で、目立った特徴や特別な形状は認められません。また、質量は恒星質量の6%程度と見積もられ、これまで発見された円盤では最も軽いものです。

すなわち今回発見されたのは、今まで撮像された最も軽い恒星の周りの最も軽い原始惑星系円盤となります。惑星には、比較的小さな地球型惑星と、その数百倍の質量をもつ木星のような巨大惑星があります。太陽系にはどちらのタイプの惑星も存在しますが、FN Tauの周りに見つかったような軽い円盤の中では、小さな地球型惑星しか形成されないと考えられます。

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すばる望遠鏡コロナグラフ撮像装置(CIAO)で観測されたFN Tauの円盤

これまでに発見された約270個の太陽系外惑星(いずれも主星の見かけの速度の変化を調べるなどの間接的な手法でみつかったもの)は多くが木星型巨大惑星、最小でも地球質量の5倍の惑星で、真の地球型惑星と言える例はまだ発見されていません。太陽系外惑星探査では、現在、このような軽い星の周りで地球型惑星を発見することが急務となっているようです。

国立天文台の系外惑星プロジェクト室と、国立天文台ハワイ観測所が運営しているすばる望遠鏡では、このような円盤をさらに詳しく調べることのできる装置(HiCIAO-ハイチャオ-とよばれる新コロナグラフ)を開発中です。この観測で用いられた補償光学の後継機と組み合わせると、円盤の微細構造や塵の大きさ・組成の情報も得られるようなものになるだろうとしています。

まだまだたくさんの謎が隠されている宇宙。今回の新発見は、宇宙に興味のある子どもたちの好奇心を高める良い効果を発揮してくれるはずです。子どもたちのわくわくする気持ちを大人が上手に広げてあげることができれば、きっと将来、有望な天文学者が誕生することでしょう。

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投稿者 kksblog : 2008年03月03日 19:30


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