●eラーニング等のICTを活用した教育に関する調査報告書(2007年度) (2008年02月29日)
いつでも、どこでも、何度でも、学習者のペースで学習することのできる『eラーニング』は、効果的であり、効率的な教育の実現方策として、大学等の運営方針に盛り込まれるなど、徐々に高等教育に浸透しつつあります。
eラーニングを、ICTつまり「情報コミュニケーション技術」を用い、学習者が主体的に学習できる環境による学習形態とした上での実施状況の調査が行われました。
『eラーニング』というのは、パソコンやコンピュータネットワークなどを利用して教育を行なうことをいいます。遠隔地にもネットワークを通じて教育を提供できる点や、コンピューターならではの教材が利用できる点などが特徴となっています。『eラーニング』は企業の社内研修で用いられたりしています。
一方、『ICT』というのは、情報・通信に関連する技術一般全体を指していいます。従来用いられてきた「IT」(情報)に、「コミュニケーション」性が加わっています。ICTは、ネットワーク通信による情報と知識の共有を念頭に置いての表現といえます。
今年度の状況としては、高等教育機関においてのeラーニングの実施率は、51.1%で、昨年度の46.1%増えています。
大学の学部・研究科では、昨年度に比べ26.4%から31.3%へ増加、国立大学では、昨年度に比べてさらに増加が著しくなっています。
現在、ICT活用教育を導入しているものの、eラーニングは、まだ実施していない機関を対象に、その理由を聞くと、「学内のインフラが整備されていないから」が最も高く、次いで「学内でeラーニングに対する関心が薄い」、「eラーニング導入のノウハウがない」、「導入にあたっての予算が不足している」などとなっています。
また、eラーニングを実施していない大学、学部・研究科でも「実施を検討中」というところもありました。その、まだ実施していない理由は、「対面授業など、既存の授業と適切に連携できる教材が、まだ十分に開発できていない」、「コンテンツの作成支援体制がない」、「視覚教材は、著作権許諾などハードルが高く、制作者に負担が大きい。そのためには、サポート人員が必要だが、そうした制度がない」など、コンテンツ作成支援体制の問題があげられました。
eラーニングを活用するには、そのための環境やコンテンツ作成など、手間も資金もかかることですが、よりよい環境の中で次世代の大人となっていく現在の子どもたちにも色々な経験をさせたり、色々なものを見せて豊かな教育ができれば、と期待が持てますね。
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投稿者 kksblog : 2008年02月29日 01:01