●食べ物を自分で作る、手に入れる 「教育ファーム」の取組状況調査 (2008年02月27日)
食育の一環として「教育ファーム」という取り組みが各地で行われています。その取り組み状況について農林水産省が調査を行いました。
Photo by shima
教育ファームとは、農業、漁業の作業体験を通じて、自然の恩恵や職に関わる人々の様々な活動への理解を深めようという取り組みです。その主体は自治体、学校などの教育機関、農林漁業者などさまざまです。食育基本法に基づいた「食育推進基本計画」において、教育ファームを推進する計画が作成され、取り組みがなされている市町村の割合増を目指しています。
農業体験というと、「芋掘り」「田植え」などが頭に浮かびますが、教育ファームは1日だけ関わっておしまいではなく、例えばお米なら田植えと稲刈り、トマトなら苗の定植と収穫、といったように、一つの作物について2つ以上の作業を年間2日間以上の期間行うものとしています。
調査の結果、回答のあった全国の市区町村において「教育ファームに取り組む主体がある」が65%、「主体がない」が27%と、多くの自治体が教育ファームの主体を有していることが分かりました。その主体については、教育機関が最も多く、次いで農林漁業者など、市区町村、その他の民間団体などと続きました。
市区町村以外が主体になっている教育ファームに対して、市区町村による支援の有無について、支援を行っている市区町村は992、およそ3分の2でした。また、教育ファームについて「教育ファーム推進計画」の策定や「食育推進計画」の中で教育ファームについて記載がある市区町村は少なく、自治体よりも学校などが率先して行っている様子が見られます。
実際の事例を調べてみると、学校や市区町村、JAなどの他、NPO法人が主体になっているところもありました。品目は米がほとんどと言っていいほどです。やはり日本の食事の基本でもあり、また田植え、稲刈りと言った作業にはイベント性もあるためでしょうか。むしろ野菜や果樹などの園芸農業や、漁業が盛んな地域でも米が選ばれているところが多くありました。
食べ物を自分で作る、手に入れることで、食べ物のありがたみを知ったり、嫌いなものでも愛着が湧いて食べられるようになったり、といった効果があります。今後教育ファームが推進されていく中で、漁業や酪農、園芸品目など、さまざまな分野に広がりを見せてもらいたいものです。
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投稿者 kksblog : 2008年02月27日 03:15