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無料のeラーニングによる研修で教育のICT化を推進 岐阜県 (2008年02月15日)

児童の耳目をあつめる動的コンテンツで集中力を高めたり、 PCを活用した校務の効率化により教員が子どもたちに向き合う時間を確保したり――ICTの活用が教育界にもたらす効果に注目が集まる中、 これまで日本の教育の情報化が順調に進んできたとは言い難いものがあります。

しかしここにきて、補助事業を拡充する形で全国の校内LAN整備に乗り出した総務省をはじめ、 東京都が2か年計画による都立学校のICT整備に取り組むかまえを見せるなど、各地で動きが見られるようになりました。

岐阜県教育委員会では、ICTを活用した教育を推進するため、教員向けの研修支援プログラム 「ICTスキルアップオンライン」 (提供 ICT教育推進プログラム協議会) を採用、2月12日から県内の教職員を対象に申込受付を開始しました。(申込締切 5月31日まで)

ICTスキルアップオンライン調印式(岐阜県庁にて) 
(左)岐阜県教育委員会・松川禮子教育長
(右)マイクロソフト 執行役常務 公共インダストリー統括本部長・大井川和彦氏

 

県としては3例目の導入
県内の教職員5人に1人が受講へ

このプログラムは、校種や内容ごとに7コースが用意されていて、マイクロソフトなどのスポンサードにより利用は無料となっています。 県内の小・中・高校・特別支援学校の教職員が対象で、サーバーなど利用環境により今回の受付の定員は800名。 提供期間は6月末までの予定ですが、県教育委員会では7月以降のプログラムの利用延長も想定しており、 09年6月末までに更に2400名程度の教職員が受講する見込みです。

「ICTスキルアップオンライン」 は、教職員のICTスキルの向上を図るプログラム 「ICTスキルアッププログラム」 をeラーニングで利用できるようにしたもので、教職員が勤務校や自宅に居ながらにして、ICTを活かした効果的な提示資料の作成方法や、 授業でICTを活用する際のポイントなどを学ぶことができるプログラムです。

PC活用の基礎や情報モラル、サーバーなど
一般教員からリーダーまで 全部で7コース


提供されるコースは「学力向上とICT」 「パソコン活用基礎 授業編」 「ICTスキル基礎 小学校編」 「ICTスキル基礎 中学校編」 「ICTリーダーズ」 「ICTアクセシビリティ」 「情報モラル指導力アップ」 「Windows Server2003トレーニング」 の7つ。

「ICTスキル基礎」 の小学校編と中学校編は同じ構成で、テキストの基本的な使い方/模擬授業「ワード」編/模擬授業「エクセル」 編/模擬授業「パワーポイント」編/授業案の立案、から組まれています。授業題材を通じて、 生徒が習得可能なICTスキルの必須スキルと応用スキルを学習できるカリキュラムになっていて、授業案形式のテキストは授業に活用可能です。

また 「ICTリーダーズ」 は、ICTリーダーとは/ICTを活用した授業計画/校内ICT推進計画、で構成しています。 学校におけるICT利活用の推進リーダーの養成コースになっていて、プロジェクト学習の要素が取り入れています。 最終日には受講生が作成した学習計画に基づいて模擬授業も実施されます。

ベースとなっている 「ICTスキルアッププログラム」 は、 マイクロソフトが世界101か国で展開しているプログラムをもとに開発された教育用研修プログラムで、日本では 「ICTスキルアップオンライン」 とともに 「ICT教育推進プログラム協議会」(03年設立/会長  独立行政法人メディア教育開発センター理事長・清水康敬氏) が提供しています。

ICT活用ゲートウェイ
ICT教育推進プログラム協議会では教育の情報化を支援するポータルも運営している

ICTの利用は子どもたちのため

県の教育委員会単位でのICTスキルアップオンラインの導入は、熊本県、高知県に続いて3例目。市では堺市、京都市、和歌山市、 川崎市が利用しており、述べ約2万3000名の教職員がeラーニングで受講しています。

日頃から多忙感の強い教職員にとっては、時間や場所を選ばないeラーニングは効果的なツールの一つです。 1月31日に行われた調印式で岐阜県教育委員会教育長の松川禮子氏は、「授業の空き時間を利用したり、 自宅でも受講できる同プログラムの特長を最大限に活用して欲しい」と語っています。

文部科学省が昨年公表した 「平成18年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果」 のなかで、教員のICT活用指導力(教材研究・指導の準備・評価などにICTを活用する能力、授業中にICTを活用して指導する能力、 児童・生徒のICT活用を指導する能力、情報モラルなどを指導する能力、校務にICTを活用する能力)の習熟状況を見ると、 5項目平均で岐阜県は全国で17.8位に位置しており、それほど低くはありません。

同県教育委員会では、 「順位に関係なく、先生の中にはICTの活用が得意でない方もいる。ICT利用の裾野を広げる意味においても、 そうした方々にもこのプログラムを活用して欲しい。校務・教務の効率化で授業がより良くなることで、 これまで以上に児童生徒が活き活きと学習に取り組むようになってくれれば」(事務局教育研修課) と、 子どもたちのより効果的な学びのためにも教職員が積極的にプログラムを利用することを期待しています。

このプログラムの利用が順調に進めばeラーニングで計3200名が受講することになる見込みで、これは岐阜県内の小・中・高・ 特別支援学校の教員数の2割に相当します。同県の教職員が既に全国でも中位に位置するスキルを有していることを踏まえると、 このプログラムの利用により、同県における教育の情報化がより高いレベルで推し進められることが見込まれます。

eラーニング受講による成果が今後どのような形で報告されるのか、 文部科学省の先の調査で下位に沈んだ自治体にとっても目が離せないことでしょう。申込に関する詳細は、 下記Webサイトでも紹介されています。(吉木)

ICTスキルアップオンラインの利用方法について

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投稿者 kksblog : 2008年02月15日 20:50


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