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“すばる望遠鏡”最も軽い星の円盤の撮像に成功~地球型惑星の誕生の場か?~ (2008年02月15日)

すばる望遠鏡、コロナグラフ・カメラを用いてのFN・Tau(おうし座FN星)と呼ばれる重さ「太陽の10分の1」しかない若い星の観測を行い、惑星が生まれる現場である『原始惑星系円盤』を直接撮像することに成功しました。

080215.JPG

撮像に成功したのは、総合研究大学院大学、自然科学研究機構・国立天文台(太陽系外惑星探査プロジェクト室、ハワイ観測所)、宇宙航空研究開発機構、名古屋大学、神戸大学、茨城大学の研究者からなるチームです。


惑星は、若い星を取りまく円盤状のガスと塵のかたまりから生まれます。そのため、この円盤は「原始惑星系円盤」ともよばれ、太陽のような恒星が生まれ成長するのと同時に、自然につくられる構造です。

円盤中で塵が成長し微惑星が形成され、微惑星どうしの合体衝突などによって惑星が誕生すると考えられています。つまり、惑星がどのように形成されるのかを理解するには、若い星の円盤を調べればよいことになります。

惑星の誕生は天文学における最重要研究課題のひとつであり、年齢10~100万年程度の若い星の星周構造を調べる研究が、以前から盛んに行われています。

円盤はそのサイズが小さく、また恒星に比べて暗いため、観測技術が発達した近年でさえ、その姿の撮像観測の例は限られています。

また、これまで円盤の観測で成果を挙げてきた“すばる望遠鏡”も、観測が比較的容易な太陽より重い恒星の円盤の研究を行ってきました。これに対し、太陽質量の半分以下の若く軽い恒星のまわりの円盤はまだ一例も撮像されていませんでした。

今回、円盤を観測したFN・Tauは、地球から約460光年の距離のおうし座星形成領域にある、太陽の重さのわずか10分の1しかない軽い星です。太陽質量の半分以下の恒星の円盤が画像としてとらえられたのは初めてのことで、これまでに円盤が撮像された最も軽い恒星(TW・Hya、海蛇座TW星)と比べて、1/7の質量しかありません。

発見された円盤はほぼ円形で、これは円盤をほぼ真上から撮像できたことを意味します。円盤の半径は地球・太陽の距離の260倍、大きさとしてはこれまで他の恒星のまわりに発見しされていた円盤と同程度で、目立った特徴や特別な形状は認められません。

また、質量は恒星質量の6%程度と見積もられており、これまで発見された円盤では最も軽いものです。今回発見されたのは、これまでに撮像された、最も軽い恒星の周りの最も軽い原始惑星系円盤、ということになります。

普段、忙しい毎日に追われていると、空を見上げることすら忘れてしまいがちですが、大きな宇宙の一部分に今存在しているんだと思うと、大きなものに包まれているような気がしませんか?

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投稿者 kksblog : 2008年02月15日 11:28


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