●仕事と子育て、どちらも大事 でも、社会は子育てに対してやさしくない (2008年02月13日)
東京都が子育て支援の取り組みを検討するためアンケートを行いました。その結果、今の社会は子育てに対して「やさしくない」と大半の人が感じていることが分かりました。
社会が子育てにやさしいと思うか、という質問に対して「まったくやさしくない」または「どちらかといえばやさしくない」と答えた人を合わせると77%にものぼりました。その具体的な理由として上位にあがったのは、「働きながら子育てしにくい職場環境」「社会全体で子育てを支える環境や仕組み、意識が不十分」「保育施設など子育て支援の多様なサービスが不足」といったものでした。
「働きながら子育て」には女性が出産後も仕事を継続することの困難さだけでなく、男性が子育てに関わりたくても休暇がとれない、長時間労働で家族と過ごす時間が少ない、などの意見があり、育児に参加したいのに仕事に縛られているといった、父親も悩んでいる姿が垣間見られます。
社会環境については、公共の交通機関が子連れでは使いづらい、公園や遊び場が少ない、といったハード面での問題を挙げる人が多いようでした。また、地域の結びつきが薄れたために、社会全体で子どもを育てようという意識が乏しく、子育ての責任を全て親に負わせている、という意見もありました。
保育施設については、保育園に空きがない、延長保育が不十分、といった保育のニーズに対してサービスが不足していることに対しての不満が大多数でした。その中で、急な用事や病気などのときに預けられる場所がない、一時保育制度があっても受け入れが少ない、という意見があり、保育サービスを必要としているのは働く親だけではないことが分かります。
それでは、子育てにやさしい社会づくりに求められているものは何か、という質問には、企業に対しては「育児休業を取得しやすい職場環境づくり」「子育て支援のための特別休暇の導入」が上がりました。また従業員以外に対する取り組みとして「子育てなどのために離職した女性の雇用促進」「子連れで入りやすい商業施設、授乳やオムツ替えスペースの提供」という意見が多くなりました。
子育て支援の取り組みとして自治体などで最も多い取り組みは、保育の拡充、待機児童の解消でしょう。しかしこのアンケートの結果からは、仕事と育児の両立こそ親たちが望んでいることが見えてきます。本当の子育て支援は、待機児童や求職率などの数字だけでなく、実際に子育てをしている人たちの声を拾い上げていくことから始まるのではないでしょうか。
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投稿者 kksblog : 2008年02月13日 14:44