●脳に電流で刺激を与えると記憶喪失、アルツハイマーが改善? (2008年02月12日)
インターネット上でニュースを配信しているイギリスの「Daily Mail」によれば、科学者たちは記憶喪失を改善する方法を偶然見つけだすことに成功しました。
アルツハイマー患者の脳に改善がみられました
肥満で苦しんでいる患者の食欲を抑制するために行われた実験で、患者の脳に電極を入れて電流で刺激をしたところ、残念ながら食欲を抑えるような効果は見られませんでした。しかし、この治療により彼は30年前に起こった出来事を鮮明に思い出すことができたのです。
パーキンソン病の不安感を抑えるために、脳に刺激をして治療する方法をすでに用いている神経外科医のAndres Lozano教授は、「この治療法は科学者たちに記憶がどのように働くかという理解を深めさせることができた。」と語っています。
カナダ、トロント西部の病院に勤める神経外科医のエキスパートであるロザーノ教授は、「電極を脳に植え込み刺激することによって、この治療を行った全員に記憶改善の効果が示されたのは今回がはじめてです。」と述べました。
また、トロントチームが6人のアルツハイマー患者の脳に電極を挿入したところ、「今のところ患者はとても順調で、大きな副作用はありません。」と同教授は経過を語っています。しかし、「それは病気の改善を示す何かであって、我々が期待しているような病気を食い止めるようなものではない。」とも付け加えています。
アルツハイマー協会のスーザン・ソレンセン氏は、「この調査結果が、新しい治療に導かれていくことを希望しています。65歳以上の3人に一人は痴呆で亡くなって行きます。」と指摘。また、アルツハイマーの研究員は、「このひどい病気と戦える方法を迅速に見つけ出す必要がある。」と述べています。
記憶喪失やアルツハイマーで苦しむ人々の新たな治療法を見つける糸口がみえてきました。科学の進歩によって、これからもさまざまな病気がこのような偶然の発見で解決につながっていくのかもしれません。今回の発見は、記憶喪失やアルツハイマーに苦しむ患者がいる家庭や、科学や医学に興味のある子どもにぜひ聞かせたいものですね。
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投稿者 kksblog : 2008年02月12日 18:16