●学習指導要領に関するアンケート調査結果 (2007年12月21日)
文部科学省は、現在、学習指導要領改定に関する検討を進めています。文部科学大臣の諮問機関である中央教育審議会は、これまでの審議を公表しています。
by damien van holten
審議のまとめでは、高等学校における「地理歴史」において、世界史のみを必修科目とする取り扱いがそのまま継続されることとなりました。また、小・中学校において日本史や日本および世界の地理の学習が行われているという現状を踏まえると、高等学校における現行の必履修科目の定めは、一定の合理性があると説明しています。
一方で、義務教育である小・中学校において、日本史に加え、義務教育課程にふさわしい内容の世界史を学習した上で、高等学校の地理歴史について、世界史・日本史および地理の中から選択できるようにすることが合理的であるという意見もあります。
この件に関し、広く国民のみなさんの意見を聞かせてほしいということで、アンケートが実施されました。
高等学校で学習する「地理歴史」科目(世界史・日本史・地理)の重要性については、“世界史・日本史・地理のすべてが重要だと思う”という答えが60%を超えました。
また、世界史に関し、学習することが重要だと思われる時代区分は?という問いに対しては、“18世紀後半~1914年の第一次世界大戦勃発前後”と答えている人が最も多くなっています。日本史に関しても同様です。
高等学校で学習した「地理歴史」科目について、世界史・日本史・地理のうち、どの科目が高等学校卒業後に役に立ったか?という問いに対しては、“地理”が比較的役に立ったという答えになっています。
義務教育段階である中学校における歴史の教育については、日本史と世界史に同じ程度の時間をあてるべきではないか、という意見が40%を超えています。
高等学校における「地理歴史」教科については、特定の科目を特別扱いすべきではないとの答えが64%を超えており、“特定の科目のみを必修すべき“という回答に関しては、日本史・地理・世界史の順となっています。また、日本史と世界史を統合するという意見に関してどう思うか?という問いに対しては、今のまま統合しない方がよいというのが50%、統合するのが良いというのが40%を超え、残りは”わからない“という答えとなっています。
学習指導要領の位置づけとしては、小学校では“学習指導要領で定められた基準を目安として、1割程度は現場に合わせた対応をしてもよいのでは”、中学校でも同じ答えが最も多くなっていますが、中学については小学校についてよりも、少し少ない割合となっています。高等学校についても、同様の答えが多いものの、“学校自らの裁量で自由に指導すべき”という答えが少し上回っています。
将来就く仕事によっても、どの程度役に立ったかというのは違ってきますし、興味のいき方も人によってそれぞれではあるのですが、現在の日本の状態を背景に考えつつ『地理歴史』という科目について人々が求めているものがあるのではないでしょうか。
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投稿者 kksblog : 2007年12月21日 12:26