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学校選択制や少人数指導は学力向上の効果があるか? 学力調査からみた実証分析 (2007年12月12日)

「経済財政分析ディスカッション・ペーパー・シリーズ」に「学力調査結果からみた学校選択制、少人数指導、習熟度別指導の効果に関する実証分析」が掲載されています。

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photo by Farl


義務教育において教育現場の荒廃、学力低下への懸念などから、学校選択制、少人数指導、習熟度別指導などの取り組みがなされてきました。これらの効果がどのように学力にあらわれているのかを、学力調査の結果から分析したものです。早期にこれらの対策を導入した自治体の協力を得て行われました。

学校選択制と学力調査との比較・分析の結果、児童数が伸びていて学校希望倍率が高い学校では、学力調査結果の結果も高い傾向が見られました。しかし個々のデータによると、学校希望倍率の低い学校や児童数の伸びていない学校でも、特色ある学校づくりによって学力調査結果が高くなっている事例もあります。

少人数指導については、まずはその実施状況について調べられました。小学校では算数について1年生を除く学年で6割を超す高い実施割合でしたが、その他の科目についてはほとんど実施実績はありませんでした。中学校では数学について、全学年で実施割合が年々増加しており、平成18年度は4割を超えています。しかし英語・他の科目については1、2割にとどまっています。

次に少人数指導と学力調査結果の比較ですが、小学校では学力調査と同じ年度に少人数指導を実施すると学力調査の結果が向上しています。一方中学校では、学力調査の前年度、前々年度に少人数指導を実施した効果があらわれるという結果が出ました。

これについては、教育指導担当者からの聞き取りの結果「中学校の指導内容は小学校よりも専門性が高く、少人数指導の効果が学力調査の結果に表れるには時間がかかる」「小学校の指導は反復理解に重点が置かれるため、応用力の育成には繋がりにくい可能性がある反面、短期間で結果が出やすい」などの理由が考えられました。

いずれの対策も、やれば結果が出るというものではないことではないことが分かりますが、特に中学校で「教員が自分に対して十分に対応してくれている」と感じている生徒は学力調査結果が高くなるという結果も出ています。いかに子ども達のモチベーションを上げて、能力を引き出してあげることができるか、それが学校選択制、少人数指導といった対策の持つ意味ではないでしょうか。

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投稿者 kksblog : 2007年12月12日 03:59


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