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有害サイト、保護者のリテラシー不足 悩みは各国共通 (2007年12月12日)

心豊かでたくましい子ども達の育成に向けて、青少年を取り巻く様々な問題への対策を話し合う平成19年度「青少年健全育成中央フォーラム」が、文部科学省、群馬県、(社)青少年育成国民会議の主催により、11月29日(木)、群馬の前橋市民文化会館で開催された。テーマは「インターネット時代における青少年の健全育成-ネット被害から子どもたちを守るために」。子どもにとって身近なものとなったインターネットや携帯電話が与える影響について取り上げられた。

午前中は、群馬大学社会情報学部大学院教授の下田博次氏、KISCOM(韓国インターネット安全委員会)常任委員のイム・ジョンヒ氏、メディア教育・コミュニケーション文化協会(GMK)青少年メディア文化教育担当のコードゥラ・フィンク=シュアマン氏が、それぞれの国の子ども達を取り巻くネット環境を紹介した。


下田氏は、「日本の子どもは安易に携帯電話を与えられたが、最初からフィルタリングをかけたものを渡すべきだった。携帯電話は子どもに見せてはいけない情報がダイレクトに飛び込んでしまう。これは、子どもに近づけてはいけない危険な大人に接する機会を与え、指先の操作一つでアダルトグッズなどが入手できてしまう危険性をはらんでいる。携帯電話により得られる利便性が本当に良いことなのか改めて考え直す必要がある」と注意を促した。

イム氏が所属するKISCOMは、韓国でネットの有害情報を監視する団体。韓国では日本以上に青少年がネットで受ける被害が深刻な問題だ。そこでKISCOMでは審議委員会を作り、素早い対応を取るようにしている。

フォアマン氏の報告によるとドイツでは、インターネットに関する親の認識不足が、子どもに被害を与える要因となっており、メディアリテラシーがないため子どもを助けてあげることができない。青少年が安易にチャットやオンラインゲームに参加した結果、暴力的な言葉にさらされるなどの被害も発生している。

群馬県子どもセーフネットインストラクターの飯塚秀伯氏と小川真佐子氏は、学校裏サイトやプロフ遊びについて紹介。こうした大人の知らない世界で、子どもが接している危険な状況を知り、会場からは驚きの声があがった。
 ◇ ◇
 パネルディスカッションでは下田教授がコーディネーターとなり、イム氏、シュアマン氏、飯塚氏、小川氏に、まつだ小児科医院院長の松田隆氏と群馬大学社会情報学部4年生の福島唯氏が加わり、子どもを取り巻く環境などについて話し合われた。
 松田氏は全くテレビを見ない日を作る「鳥取県三朝町ノーテレビデー」の取組みを紹介、「子どもの環境は大人が作るものなので、まずは大人が変わらなければならない」と語った。
 大学生の福島氏は、携帯電話やインターネットを利用する若者に近い立場からパネリストに加わった。「ネットを通じて自分を表現できるのは素敵なことだが、出して良い情報と良くない情報を子どもが把握できてないことが問題」と述べた。
 コーディネーターの下田氏は「大人もネットの世界に無関心であってはいけない。携帯電話やインターネットの特性を見抜いて子どもと向き合う必要がある」と参加者に呼びかけた。
 なお、会場には携帯電話やパソコンのフィルタリングに関する展示コーナーが設けられ、携帯電話会社が実施している有害サイトアクセス制限サービスや、正しい携帯電話の使い方を知ってもらうための安全教室なども紹介された。




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投稿者 kksblog : 2007年12月12日 01:54


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