●進研ゼミがWebコンテンツを採用 (2007年12月03日)
様々な子ども向けサービスが充実される昨今、子どもたちの学習意欲の低下が指摘されています。
そうしたなか、株式会社ベネッセコーポレーションは08年度から、中学1年生を対象に紙教材とWeb学習を取り入れた新しい通信講座
「進研ゼミ中学講座+i」を提供すると発表、Webの利用で新たな時代に対応していく構えです。
Webと紙で個に応じた指導 モチベーションもup
「進研ゼミ中学講座+i」は、従来からある「進研ゼミ中学講座」の教材に連動するWebコンテンツを用意。 ペーパーメディアを単にWebに置き換えたものではなく、両方を組み合わせる 「ブレンド学習型の教材」を目指しています。
赤ペン先生とは別にWebやメールによる動機付けを行う「クラスコーチ」を採用したうえ、 Webによる音声や動画での解説など、ICTの良さを活かして個々の習熟度や進捗に応じた学習を可能にした 「進研ゼミ中学講座+i」。
同社によると、モニターからの比較実験調査の結果からは、「ブレンド型」の学習スタイルが、従来型のスタイルと比べ、学習効果が25% 向上する結果を示していると言います。
身近なアイテムであるキャンディをイメージした「ニガテBOX」では、 間違えた問題や自信をもたずに解答した問題が登録され、改めて重要なものから優先して解き直すことが可能です。
また「学力&学習力MAP」では、正解・不正解だけでなく、 自分が課題に対してどれだけ意欲的に取り組んでいるかをマトリックスで示し、次の学びへの意欲を高める工夫がなされています。
このほか、コミュニティやゲームコンテンツも揃えるなど、近年の子どものニーズに対応したかたちになっています。
手を動かし書いて学ぶスタイルは欠かせない
プレス発表の場で、的場一成氏(同社執行役員 デジタル事業開発本部長)は教材について
「学習効果を考えるとインプットの部分では、Webの利用の効果があると思うが、定着の部分では紙に書くことが必須。 今後Webの占める割合が増えたとしても手を動かし紙に書いて学ぶスタイルはなくならないのでは」
と述べ、Webの利点を柔軟に取り入れる一方で、従来からある学びのスタイルがベースにあると説明しました。
いつでもどこでも3ステップで手軽な反復学習が可能 得点力学習DS
来年1月から発売される「得点力学習DS」(全18タイトル)は、
ニンテンドーDSとして初の中学の全学年(5教科)の教科書に準拠、中学生の学習専用に開発され次世代型の学習教材です。
生徒はまず自分が普段使用している「教科書」を選択し、単元・ページを設定して学習する。暗記効率を良くするため、 各教科とも3STEPで学べるように設計されており、生徒は教科の特性に合わせてライティング機能を使って解答します (社会科の場合①用語問題、②連想問題、③記述問題)。
また「テスト範囲」を設定すれば、優先度の高い問題から解答したり、解答履歴から苦手な問題を改めて復習できるなど、 効率的にテスト対策を行えます。
中間・期末のテストや高校入試といった具体的な目標に向けて、効率的に徹底した予習復習を行いたい子どもには、 手軽で嬉しい製品になりそうです。
新時代に向けたモデルチェンジ
同社代表取締役社長兼COOの福島保氏は両製品について、「次の時代に対応するため、 コア事業である通信教育事業のモデルチェンジ。進研ゼミの基本に変化はないが、実証実験を含め、 これからの3年間で子どもたちの学習意欲の喚起とそこから得られる学習成果をかためていきたい」と語っており、 同社がこの事業にかける期待は少なくないことが伺えます。
11月26日には、Webサイトがオープン。 まずは非会員からの申込受付を開始しています。会員からの変更申込受付は12月7日を予定してます。
具体的なサービスは、来年2月13日に3月開講号として「中学講座+i」(新入生テスト対策コーナー)の提供がスタートします。 教科書対応の学習コンテンツなど、本格サービスは3月25日の4月号からの予定です。
従来の「中学講座」と比べ、受講費用は約16%高く設定されました。同社では今後、対象学年を順次拡大し、 2012年には中学講座全体をWebを取り入れた同サービスに完全以降することを目指しています。
また「得点力学習DS」の初年度目標は約13万人の利用、売上約30億円を見込んでおり、2010年度には直販・
店頭型を合わせて50億円規模を目指すとのこと。
1969年の開講以来、ベネッセコーポレーションではこれまで、生後6ヶ月から18歳までの子どもを対象に、
教科書や志望校別など個々のニーズに応じた通信教育講座を展開。現在の会員数は、
日本の対象年齢の子ども5人に1人に相当する391万人に上ります。
子どもたちの学びを考える上で、学校での「授業」とそれを補う「家庭学習」は不可分な関係にあります。
国の施策から大幅な遅れを見せる学校教育のICT化。
今回、通信教育サービスを提供する最大手が示した従来教材へのWeb採用からは、 学校教育のICT化が避けられない時期に来ていることが伺えると思います。今後の同サービス・商品の反響に注目が集まるところです。
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投稿者 kksblog : 2007年12月03日 17:36
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