●子育ては仕事に差し支える、夫の協力が得られないが2割も増加 少子化社会白書より (2007年11月19日)
内閣府より平成19年度版の少子化社会白書が公表されました。
by honti
平成19年版の少子化社会白書では、日本の少子化の現状や将来推定人口に基づく将来の見通しについて説明し、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた働き方の改革など「子どもと家族を応援する日本」重点戦略の中間報告の概要、働き方や子育て支援サービスをめぐる課題などについて解説しています。
少子化社会白書とは、少子化社会対策基本法(平成15年法律第133号)第9条に規定する「少子化の状況及び少子化に対処するために講じた施策の概況に関する報告書」であり、政府が毎年国会に提出しなければならないとされているものです。
まず、少子化の動向を見てみると、2006年の出生数は、109万2674人で(前年は106万2530人)、合計特殊出産率は、1.32(前年は1.26)となり、ともに6年ぶりに増加に転じました。
出生数を母親の年齢別にみると、30代前半から半ばのいわゆる「団塊のジュニア世代」の女性による出生数が増加していて、現在では新生児の過半数(53.9%)が30代の母親から生まれています。
近年の婚姻動向としては、未婚化・晩婚化にあります。2006年の婚姻件数は、73万971組(対前年比1万6706組増)と5年ぶりに増加に転じ、婚姻率も最低だった2005年の5.7より0.1上昇して5.8となりました。
しかし、婚姻率が10.0以上だった1970年代と比べると半分近くまで落ち込んでいます。また、25歳~29歳の未婚率(2005年)は、男性で71.4%、女性で59.0%となっています。
未婚者のうち「いずれ結婚するつもり」と回答した割合が女性が90%、男性が87%となっており、依然として高い傾向にあります。それにもかかわらず未婚にとどまっている理由として、結婚の必然性の欠如や独身生活に利点があること、適当な相手に巡り合わないという理由があります。
同じ調査で、予定子ども数が理想子ども数を下回る理由をみると、「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」が65.9%と最も多くなっています。また、25歳~34歳の若年層では「自分の仕事に差し支えるから」、「夫の家事・育児への協力が得られないから」が前回調査よりも大きく上昇して2割程度となっています。
このほかにも、少子化に関するさまざまな調査結果が載っている「19年度版 少子化社会白書」は、全国の主要書店、政府刊行物サービス・センターなどで購入できます。
結婚や子育てには意欲があるものの、現実的に叶わないという状況の人が多いようです。また、経済的な問題や、仕事を優先したいなどという理由で子育てを諦めている若年層の夫婦が多いのも特徴です。
この状況を改善するためには、まず地域の一人ひとりが協力体制をつくっていくことが大切ではないでしょうか。たとえば、保育園代が出せない夫婦を支えるために、地域の預かり保育ボランティアに参加するなど、日本の未来を明るくするためにできることがきっとあるはずです。
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投稿者 kksblog : 2007年11月19日 21:06