●児童相談所における児童虐待についての相談・対応件数(平成18年度) (2007年11月12日)
社会福祉行政業務報告によると、平成18年度の児童虐待についての相談の受付総数は、380,950件と、前年度より“約31,000件”増加しています。
これは、平成18年10月から施行された、「障害者自立支援法」の影響によって、新たに障害児施設給付費の受給にかかる手続きも加わって影響しているものと考えられます。
by victor stoyanov
総数の内訳として、「障害相談」が194,166件と最も多く、全体の約51.0%となっており、次いで養護相談が78,698件と約20.6%になっています。
児童相談所に寄せられる相談の種類は、大きく分けて『児童虐待相談を含む養護相談』、『障害相談』、『非行関係相談』、『育成相談』、『その他の相談』に分類されています。
「児童相談所」は、市町村との適切な役割分担、そして連携を図りながら、子どもに関する、家庭その他からの相談に応じるための行政機関です。
その役割としては、子どもが有している問題、または子どもの真のニーズ、子どもの置かれた環境の状況などを的確に捉えて、それぞれの子どもや家庭に、最も効果的な援助を行うところにあります。子どもの福祉を図り、その権利を擁護することを目的として設置された行政機関となります。
「児童相談所」は、平成19年7月1日現在で、全国に196ヶ所設置されています。
平成18年度に、全国の児童相談所で対応した児童虐待相談対応件数は、37,323件。統計を取り始めた平成2年度を1として、なんと、その約34倍、“児童虐待防止法施行前”の平成11年度に比べると、約3倍強と、年々増加しています。
児童相談所に寄せられる虐待相談の経路としては、家族、学校等、また近隣・知人・及び福祉事務所からの相談が多くなっています。
虐待の内容別に見ると、身体的虐待が15,364件(41.2%)で最も多く、次いでネグレクトが14,365件(38.5%)となっています。「ネグレクト」とは、子どもを遺棄したり、衣食住や清潔さについての健康状態を損なう放置、つまり、栄養不良や極端な不潔、怠慢ないし拒否による病気の発生、学校へ行かせない、などのことをいいます。身体的虐待の割合が減少傾向であるのに対して、ネグレクト、心理的虐待の割合が年々増加しています。
虐待相談の年齢構成別に見ると、小学生が14,467件(38.8%)で、3歳~学齢前が9,334件(25.0%)となっています。学齢前児童の割合が減少傾向であるのに対して、小学生以上の割合が年々増加しています。
「児童虐待の防止等に関する法律第9条」に基づく立入調査は、児童虐待が行われているおそれがある際、児童福祉司等が児童の住居等に立ち入って、必要な調査や質問を行うことができるものですが、平成18年度に立入調査した件数は238件ありました。
「児童福祉法第33条」に規定する一時保護は、「児童福祉法第27条」に規定されている『施設入所等の措置』をとるに至るまで、子どもを一時保護所に保護、または児童福祉施設、警察等に一時保護を委託することができるもので、虐待、放任等の理由により家庭から一時引き離す必要がある場合などに行われます。なお、一時保護所は、平成19年7月現在で全国に117か所設置されています。
平成18年度の一時保護件数は10,221件で、前年度に比べて約13%増加しています。そのうち一時保護委託については3,140件で、なかでも児童養護施設への委託が47.4%の1,488件と、一時保護委託の半数近くを占めています。
虐待相談を受け付けた後の対応状況は、助言指導や継続指導等の、いわゆる面接指導が30,566件(81.2%)と最も多く、施設入所については約1割の3,874件となっています。施設入所の内訳としては、児童養護施設が2,603件(67.2%)と最も多くなっている。
障害者の自立支援とともに、子どもたちも将来はやがて自立していく人間です。本当の意味での“自立”、そして、人と人との共存と大きな捉え方で考えて共に生きていきたいものです。
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投稿者 kksblog : 2007年11月12日 02:05