●ホームズ彗星(すいせい)が肉眼でもはっきりと観測可能に 国立天文台より (2007年11月02日)
ホームズ彗星(すいせい)が大アウトバーストを起こしたことが国立天文台より発表されました。
標準レンズでも大きく写るようになったホームズ彗星 10月31日撮影
ホームズ彗星(17P/Holmes)が10月24日~25日には約3等級の明るさとなり、肉眼でも見えるようになったことがわかりました。10月31日の時点では、まだ2等台の明るさを保っているとのことです。
ホームズ彗星(17P/Holmes)は、公転周期が約7年の短周期彗星です。今年5月に近日点(太陽からの距離:2.05天文単位)を通過し、2007年10月下旬現在、太陽から約2.4天文単位の距離に位置し、少しずつ遠ざかっています。地球からの距離は約1.6天文単位です。10月23日には、約17等の明るさで観測されていました。
しかしその直後の10月24.067日(世界時)に、なんと8.4等と約9等も増光している姿が捉えられました。その後も急速に増光し、日本で夜を迎えた10月24.55日(世界時、日本時22時12分)には、約3.5等で観測されました。
その後も日本各地で、さらに増光する彗星の様子がとらえられ、25日の(日本の)明け方には約2.9等と2等台に突入しました。増光は鈍ったとの情報もありますが、今後どう推移するかに注目が集まっています。
なお、この彗星は過去にも大バーストをした記録があります。この彗星が発見された1892年に4等まで増光しましたが、一般的な明るさよりも約12等増光したと推測されています。このときには、翌週には急速に減光し、約3等暗くなってしまったようです。
増光当初の彗星に尾は見られず、肉眼では恒星状でした。望遠鏡で拡大すると、黄色っぽく輝くほぼ丸いコマが見られましたが、際立った構造などは見られませんでした。
それぞれ左から10月28日3時16分、29日1時42分、29日23時32分の様子
追加情報として記録されているのは、10月26日に「大増光の翌日にあたる10月25日晩~26日未明にかけては、三鷹では悪天のため、観測できませんでした。他の場所では2等台前半と、増光は鈍ったものの前夜よりは明るく観測されている模様です。」とのことです。
また、10月29日には「彗星像は徐々に拡散しており、28日明け方には肉眼で見てもうっすらと面積体であることがわかるようになってきました。双眼鏡では、ぼんやりとした丸い形が、また望遠鏡では、コマの構造がわかるようになってきています。29日未明現在も、2等台の光度を保っており、引き続き肉眼でよく見えます。」と記録されています。
すでに11月に入りましたが、まだまだホームズ彗星を見られるチャンスはあるかもしれません。今夜あたり、家族そろって外へ出て空を見上げてみてはいかがでしょうか?
■関連記事
KKSブログ: 「惑星ぜんぶ見ようよ☆」キャンペーン
KKSブログ: 使ってみよう~新太陽系図ポスター、リーフレット
KKSブログ: 宇宙の謎にせまる 「暗黒エネルギー」の存在を証明
« 有害情報は国で規制すべき? 内閣府の特別世論調査 | トップページへ 日本の「伝統・文化」を伝える教育ビジョン »
最新記事一覧
- 日本人の大人読解力・数的能力は1位 IT活用はOECD平均並み(2013年10月08日)
- 日本人の大人読解力・数的能力は1位 IT活用はOECD平均並み
- 汚れが気になる人向け、「MONO」シリーズから黒色消しゴムが新登場
- きれいな文字が書ける『文字力アップノート』発売~ナカバヤシ
- 教室とeラーニングをシームレスに連携させるシステム タブレット版も登場
- ソフトバンクの選手といっしょに練習できる野球教室 参加者募集中!
- 授業改善に役立つパンフレット『授業アイディア例』を作成~国立教育政策研究所(2013年10月07日)
- 『ジェットストリーム』から操作性、高級感を両立した社会人層向けペンが登場
- 教育用ICT機器は市場拡大の一途、タブレット端末が牽引する見込み
- この秋、東京国立博物館のワークショップで歴史上の「文化」を体験しよう
- クリスマスを外国で過ごせる学生向けホームステイ語学研修
- サッカーキッズ育成「オンライン自主練サービス」の試験運用が開始されています(2013年10月05日)
- 日本人の国語に関する意識や理解の現状について調査~文化庁(2013年10月04日)
- スマートフォンやタブレットを使っていても、やっぱり仕事の相棒は「ノート」
- 日本食文化・川場の食材・自然写真を融合「KAWABA国際自然文化サミット」【10月5日~20日、10月18~20日群馬県川場村】
投稿者 kksblog : 2007年11月02日 20:17