●アミノ酸「グリシン」摂取によって睡眠の質・量が改善されることが判明 (2007年11月02日)
味の素株式会社は、アミノ酸「グリシン」が、末梢血流を増加させ熱放散を促し、睡眠と関係が深いとされる深部体温(直腸内温度)を低下させることで、睡眠の質向上に関与していることを確認しました。
(図1)「グリシン投与後の深部体温の変化」
入眠時には、深部体温が低下することが知られています。この深部体温の低下の度合いが急であればあるほど速やかな入眠が得られることも知られています。今回の研究結果から、ラットへのグリシン投与により、速やかに深部体温が低下すること(図1)がわかりました。
グリシンは生体内で合成される非必須アミノ酸の1つであり、通常1日あたりのたんぱく質から3~5g摂取しているといわれています。また、神経系ではグリシン受容体へ作用する神経伝達物質としての機能を持つことも知られています。
これまでにわかっていることは、睡眠に軽度の問題を有するヒトが、就寝前グリシンを摂取すると睡眠が改善されること、また徐波睡眠潜時(床についてから、深い睡眠になるまでの時間。)が短縮されることです。
今回、このグリシンの作用機序を解明するため、睡眠との関係が深いとされる深部体温と末梢血流に対する作用研究をラットとヒトで行ない、グリシンの睡眠時深部体温低下作用と、それにともなう放熱亢進作用を確認しました。
また、睡眠妨害条件下ラット(ラットを眠りにくくさせた状態)を用い、グリシンにヒトと同じような睡眠改善効果があるかどうかを検討しました。
研究結果から、ヒトで示されたグリシンの睡眠改善作用がラットでも再現でき、ヒトとラットで深部体温の減少と表面血流の増加が睡眠改善作用に寄与していることがわかりました。
今後はラットを用いて更なるメカニズム探索研究を行なっていくと同時に、睡眠により二次的に改善する可能性のある肌質などについてもヒトでの研究を行っていきたいとのことです。
グリシンは、筋肉や皮膚など体を構成するアミノ酸の一つで、体内でつくられる非必須アミノ酸です。ホタテやえびなどの食品に多く含まれています。今日の食事からさっそくホタテやえびを使って、効果のほどを試してみてはいかがでしょう?
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投稿者 kksblog : 2007年11月02日 04:37