●理科の授業では実験結果の考察、結論の導き出しが苦手 小学5年~中学2年 (2007年11月30日)
文部科学省内の国立教育政策研究所から、理科の観察や実験に関しての学力を測る「特定の課題に関する調査」の結果が発表されました。
電気回路を組み立てる中学校2年生の様子
実験や観察が好きな児童生徒の割合は80%と高い傾向にありますが、見通しをもって自ら観察・実験の方法を考案することや、観察・実験の結果やデータをもとにして考察し、結論を導き出すことに課題があるという結果になりました。
調査対象学年は、小学校5年生~中学校2年生までで、調査実施校は小学校111校3284人、中学校100校3196人でした。調査内容は、小学校で「物の溶け方」や「植物の発芽と成長」、「流れる水の働き」を実施。中学校では「植物の生活と種類」、「身の回りの物質」、「電流とその利用」、「天気とその変化」などを実施しました。
小学5年生が作った「植物の発芽と成長」についての4枚の実験カード
小学校5年生の問題の一例では、インゲンマメの発芽の条件についての話し合いと実験の映像をみて、仮説を確かめる実験方法を計画します。そして、予想と実際の結果を判断して仮説と実験の結果から結論を考察する問題が出題されました。
中学校2年生の問題の一例では、回路図をみて、電球と電池からなる回路を実際に組み立て、回路中に電流計を接続します。そしてその電流を読み取る実技問題が出題されました。
今回の指導改善の具体策として、小学校では自然の事物・現象について観察の視点や実験における条件について考える機会を確保すること。そして児童一人一人が観察、実験の手続きや操作の意味を理解し、用語や技能の習得を図る指導の工夫が必要だという結論になりました。
中学校の具体策としては、生徒自身が実験の方法を考え、結果を予測するための機会を確保すること。また、既習事項との関連を踏まえた計画的な指導やモデルなどを利用した指導の工夫が望まれるという結論に至りました。
聞いているだけの授業よりも、実験や観察は児童生徒にとって楽しいものです。それをもっと実りあるものにするためにも、児童生徒が主体となって考えていく授業にしていかなくてはなりませんね。今後、どう変わっていくのか理科の授業に期待が高まります。
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投稿者 kksblog : 2007年11月30日 18:38