●子ども達をとりまく犯罪 少年の補導および保護の状況 (2007年10月30日)
「平成18年度中における、少年の補導および保護の状況」という資料が、警視庁のサイトに掲載されています。
Photo by 工藤隆蔵
この資料は、20歳未満の「少年」に関する犯罪などについての統計をまとめたものです。少年による犯罪、非行行為、少年が被害者になった事件などの件数や、その年齢・性別などの内訳、過去10年間のデータなどがまとめられています。
刑法犯少年の検挙人員は、ここ数年減少傾向にあります。平成15年をピークに、以降は毎年1万人程度ずつ減少しており、過去10年のデータを見ても、過去最低の人数になっています。総検挙人員に対して、少年の割合が29.4%を占めている、という数字には、そんなにいるのか、と驚かされました。しかし、この総検挙人員の中の少年の割合も次第に減少しているもので、29.4%という数字は過去10年で最低になっています。
全体の傾向同様、ほとんどの種類の犯罪で、検挙人員は低下しています。ただし一つだけ、知能犯については増加しています。知能犯とは詐欺・横領などの犯罪を分類するカテゴリの一つです。細かく見ると詐欺でも検挙が最も多く、また少年全体の検挙人員が減り始めている平成16年から、急激に増加しています。他に増加しているのは、不良行為に分類される、深夜はいかいです。こちらは10年間でほぼ連続的に増加しています。
少年が主たる被害者となる刑法犯の認知件数は、平成13年度をピークに減少しています。しかしその総数と比例して減っているのは粗暴犯のみで、性犯罪、凶悪犯による件数はそれほど大きな動きは見られません。性犯罪に関しては、送致件数、人数共に増加しています。被害者の総数は前年より下回っているものの、児童ポルノの被害者数はわずかですが増加しています。
児童虐待についての統計は、取り始めたのが平成11年度からですが、以来年ごとに被害件数が増加傾向にあります。これは児童相談所などが介入し、発見されることが多くなったという要因もあるでしょうが、育児に対する「怠慢または拒否」は前年度の2倍の件数になっています。
全体の数を見ると、少年に関する犯罪の件数は少なくなっていますが、ニュースなどで見聞きする限り、子ども達をとりまく環境はよくなっている、とは言い難い気がします。子ども連を加害者にも被害者にもしないよう、周囲の大人たちが見守り、育てることが大切ではないでしょうか。
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投稿者 kksblog : 2007年10月30日 01:58