« 彼が暴力をふるう理由 愛と暴力を間違えないために[11/17名古屋開催] | トップページへ | 若者しごとホットライン、相談実績と集計結果について »

子ども達をとりまく犯罪 少年の補導および保護の状況 (2007年10月30日)

「平成18年度中における、少年の補導および保護の状況」という資料が、警視庁のサイトに掲載されています。

night_071030.jpg
Photo by 工藤隆蔵


この資料は、20歳未満の「少年」に関する犯罪などについての統計をまとめたものです。少年による犯罪、非行行為、少年が被害者になった事件などの件数や、その年齢・性別などの内訳、過去10年間のデータなどがまとめられています。

刑法犯少年の検挙人員は、ここ数年減少傾向にあります。平成15年をピークに、以降は毎年1万人程度ずつ減少しており、過去10年のデータを見ても、過去最低の人数になっています。総検挙人員に対して、少年の割合が29.4%を占めている、という数字には、そんなにいるのか、と驚かされました。しかし、この総検挙人員の中の少年の割合も次第に減少しているもので、29.4%という数字は過去10年で最低になっています。

全体の傾向同様、ほとんどの種類の犯罪で、検挙人員は低下しています。ただし一つだけ、知能犯については増加しています。知能犯とは詐欺・横領などの犯罪を分類するカテゴリの一つです。細かく見ると詐欺でも検挙が最も多く、また少年全体の検挙人員が減り始めている平成16年から、急激に増加しています。他に増加しているのは、不良行為に分類される、深夜はいかいです。こちらは10年間でほぼ連続的に増加しています。

少年が主たる被害者となる刑法犯の認知件数は、平成13年度をピークに減少しています。しかしその総数と比例して減っているのは粗暴犯のみで、性犯罪、凶悪犯による件数はそれほど大きな動きは見られません。性犯罪に関しては、送致件数、人数共に増加しています。被害者の総数は前年より下回っているものの、児童ポルノの被害者数はわずかですが増加しています。

児童虐待についての統計は、取り始めたのが平成11年度からですが、以来年ごとに被害件数が増加傾向にあります。これは児童相談所などが介入し、発見されることが多くなったという要因もあるでしょうが、育児に対する「怠慢または拒否」は前年度の2倍の件数になっています。

全体の数を見ると、少年に関する犯罪の件数は少なくなっていますが、ニュースなどで見聞きする限り、子ども達をとりまく環境はよくなっている、とは言い難い気がします。子ども連を加害者にも被害者にもしないよう、周囲の大人たちが見守り、育てることが大切ではないでしょうか。

■関連記事
少年犯罪者14.8人/1000人当たり この先大丈夫?? 〜「平成18年の犯罪」警察庁〜 
青少年の深夜外出、親の教育が不可欠
声に出しにくい悩みなら… 「メール相談」


平成18年中における少年の補導及び保護の概況(要旨版)
平成18年中における少年の補導及び保護の概況



« 彼が暴力をふるう理由 愛と暴力を間違えないために[11/17名古屋開催] | トップページへ 若者しごとホットライン、相談実績と集計結果について »

最新記事一覧

投稿者 kksblog : 2007年10月30日 01:58


コメント
ブログ内検索
昔の記事を読む
メルマガ・RSSで読む
毎週水曜日、1週間分のニュースをまとめてお送りします(無料)。<サンプルはこちら>

【購読はこちら】
ネタを提供する
教育に関するネタ大歓迎。お気軽にどうぞ!!



ネタなどへのお返事
KKSブログ for mobile
mobileaccess.gif

最新15記事の大事なトコだけ読めるようになってます。あと、古い携帯は文字化けするかも


KKS Web News 教育家庭新聞(C) KKS ブログトップ