●新大臣、文科省に関連する諸問題について述べる 文部科学大臣会見 (2007年10月14日)
文部科学省のホームページには、文部科学大臣が行なった会見の概要が掲載されています。
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9月26日、初入閣で文部科学大臣に就任した渡海喜三郎氏が初めて会見を行ないました。まずは就任の挨拶から始まり、大臣は教育再生を最重要課題として取り組んでいくことをお話しました。
その後記者からの質問に答える形で、初入閣で就任した感想や抱負をはじめ、道徳の教育について、高等教育について、東京オリンピック招致について、日本の宇宙開発について、学制について、幼児教育の無償化についてなど様々な文部科学省における注目すべき事項について大臣の考えを述べられました。
中でも今、特に注目されている沖縄の教科書表記問題については、出てくる意見をよく見極めて、今後の対応を考えていきたいと述べられました。この問題は、沖縄戦の集団自決に関する教科書表記をめぐるもので、集団自決が軍の強制によるものだったとの記述を削除したことを訂正するべきかどうか問題になっているのです。また、事件性として注目されている時津風部屋の問題は、大臣として事実関係をまだ把握していないので、答えは控えられました。これは、相撲協会は文部科学省所管の財団法人であることから、弟子を暴行して死亡させていたということについて大臣の所感を求められたのです。
この2つの事項に関しては、後日の大臣会見でもとりあげられています。
9月28日の会見では、閣議内容の報告と政治資金規正法の件で大臣の考えを述べられた後、時津風部屋の17歳の力士が急死した問題について、大臣の考えと相撲協会に対して文部科学省は何か対応する予定があるのか質問されました。現時点では、相撲協会が事実関係の把握に努めていて、文科省としても報告を求めているところであること、協会内部で再発防止策を作って頂きたいと思っていること、文科省は相撲協会の事業の状況を監督していく必要があり、いずれ近いうちに文科省から要請してお越しいただく必要があると考えていることを述べられました。
そして相撲協会をの公益法人としての在り方についての考えを質問されました。大臣は、事業の内容や経費の処理などについて、主務官庁がしっかり監督する必要があること、相撲はスポーツなので、健全な運営をされていくよう、文科省も再発防止策をしっかり構築させるなど的確に指導していくことが必要と述べられました。
10月2日の会見では、閣議内容の報告と大臣の過去の政治資金についての報告の後、沖縄についての教科書表記問題についての方針を述べられました。訂正を行なうかどうかなどは中立、公平、公正な立場で判断していくということで、状況によっては検定審議会で審議して訂正を承認する可能性もあることを示唆しました。
そして時津風部屋の問題および相撲協会に対しては、文部科学省としては真相究明や再発防止策の構築などを適切に行なって頂けるようお願いしつつ、相撲協会が今やっていることの報告を受けながら、当面は見守っていくつもりだと述べられました。
教科書問題については、記述を修正するかどうかについて政治の介入があってはならないでしょう。沖縄県民の気持ちを尊重することも大切ですが、政権の思惑などに左右されずに、歴史的事実のみを記述するのが教科書であってほしいですね。相撲協会については、相撲は長い伝統あるスポーツなので、守るべき伝統やルールもあるのだと思いますが、古い体質を変えていくことも必要と思われます。早くも新大臣による文部科学省の指導力が問われることになりそうです。
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投稿者 kksblog : 2007年10月14日 07:49