●授業時間を増やすことは実現するのが難しい 文部科学大臣会見 (2007年09月25日)
9月7日、文部科学省のウェブサイトに、文部科学大臣の会見概要が掲載されました。
by d_sackvill
学習指導要領の見直しについて、大臣は前回の会見のときに、「授業時間が増えるのであれば、そこに手を打ちたい」、あるいは「時間数の増加だけを現場に押しつけることがないようにするのが私の責務だ」と発言していました。今回の会見では、この発言について深めながら、今後の指導体制を中心に語っています。
大臣は、「世の中には原理原則というものがあります。記者の皆さんでも仕事の量がものすごく増えれば、超過勤務(以下「超勤」)をするしか仕方がないわけで、超勤の限度が超えた場合は、当然、取材記者を増やしてもらわないと困るという話が起こるのではないでしょうか。それと同じ状況だと私は思います。」と述べています。
つまり、世の中の原理原則は教育界にも当てはまることで、教育の再生を最優先の課題として取り組みたいのであれば、それなりの負担が学校側にかかるわけです。
たとえば授業時間を増やすことも、一般人には簡単に聞こえますが、大臣は「授業時間を増やしたいということになれば、当然、今の人員で対応できるのかどうかの検討はしなければなりません。しかも教員勤務実態調査によりますと、教員の超勤の状況は、田中角栄先生が人材確保法を作られた30年くらい前に比べますと、当時10時間未満であった1ヵ月の超勤時間が30数時間という状況になっており、これは社会状況が変わりましたから仕方のないことだと思いますが、こういう状況でどうするのか。」と語っています。
授業時間は増やしたいし、児童の学力は向上させたい、それに生徒に向き合う時間は確保しなくてはならない・・・でもお金がかかるから教員の数は増やしたくない。これが今の教育界の現状なのです。
大臣はこれから国会でこの点を議論していくべきだと述べています。
今回の大臣会見から、今の教育体制を変えるには、まず財源や教員の確保が第一に優先されるべきだということが明らかになりました。しかし、この問題はすぐに解決するとは考えにくいですね。学校で授業時間を増やせない分や、先生が生徒に向き合う時間を十分に確保できない分は、家庭で補充をするという考えで日本の教育体制をみんなでささえあっていくことが大切ではないでしょうか。
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投稿者 kksblog : 2007年09月25日 20:08