●ゆとり教育は実施要領の見直しが必要 文部科学大臣会見 (2007年09月20日)
文部科学大臣が8月31日に行なった会見の概要が、文部科学省のホームページにアップされています。
by Angie Harms
会見内容は、閣議の報告と、記者との質疑応答では、ゆとり教育についてを主とし、学習指導要領素案について、平成20年度予算概算要求についてなどの大臣の見解が述べられました。
今のゆとり教育は、運用面において、必ずしも十分な教育効果が現れていない部分については、他に振り返ることを検討するのが必要とされています。内容についてもいわゆる「英語教育」に固執せずに、国際感覚を養うことを目的とし、いろいろな言葉や文化があることを身に付けることに統一したほうがよいというのが大臣の見解です。ゆとり教育が総合学習の中にあるのはそのためです。大臣は、今はゆとり教育の実施要領の見直しが必要ではないかと述べています。
大臣の考えるゆとり教育とは、子どもに基礎をしっかり教え、その基礎の上に立って、応用できる能力とか、現実に適応できる能力とか、現場をしっかり見る能力とかを教えることです。ゆとり教育は、総合学習にしても国際感覚を養うということでも、もう少し具体的に、現場にわかりやすくしてあげればよかったとの反省もある一方、現場はお金と人手がないからといって努力を怠ることのないようにと呼びかけています。文部科学省としては、外国人の教師に参画してもらえるように予算編成なども検討しなければならないと考えています。
その他の大臣の主な発表内容は以下になります。
●小学校の授業時数の増加、総合学習の削減などを柱とする学習指導要領の素案について
中央教育審議会にて検討中。3月末までに告示し、教科書などの準備期間を経て、平成21年度に一部、23年度以降に完全実施という予定。学校が混乱したり、時間数の増だけ押し付けることのないようにすることが責務と考えている。
●平成20年度予算概算要求について
2006年の経済財政運営の基本方針で指定されている部分、例えば運営費交付金等については、文部科学省もそのまま認めている。9月入学や医師の養成等、新しい事態に対応するために、運営費交付金、私学助成費の上乗せは必要と思われる。教員の給与問題については、教員増員か外部委託、または定員外の非常勤講師等によって、教員の超勤の半分解消を目指す。
学力低下の原因ともいわれる今の「ゆとり教育」は、賛否両論で、子どもたちや親たちのニーズに応えたものではないのが現状のような気がします。
現場の体制整備などはもちろんですが、何より教育内容が将来を見据えた今の子どもたちに必要なものになってもらいたいものです。
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投稿者 kksblog : 2007年09月20日 20:28