●学校評価に関する規則改正 国民の意見を募集中! (2007年09月14日)
文部科学省では、学校教育法施行規則の改正を予定しています。改正されるのは学校評価に関係する部分で、これに関しパブリック・ コメントを実施します。
パブリック・コメントとは、行政機関が政令、省令などを制定するにあたって、
事前にその案について広く国民から意見や情報を募集するものです。 平成19年6月に、学校教育法の一部を改正する法律が成立し、その中で、
学校評価に関する規定を新たに設け、各学校が学校運営の状況について評価を行い、その結果にもとづいて学校運営の改善を図る、
ということが規定されています。
評価方法についてかんたんにまとめると、学校がそれぞれ設定した目標を定め、その達成度・
進捗状況について(1)学校による自己評価 (2)保護者や評議員など、学校にかかわる人による評価 (3)評価される学校と、
全く関わりのない有識者・専門家などによる評価、というように、多面的な評価がもりこまれています。
このような評価システムのメリットは、教育の明確な目標をもつことで成果が示しやすい、校外の評価をうけるために、
学校の取り組みについて公表する場ができる、などが挙げられます。しかし一方「目標を掲げ、それに邁進する」
ことが教育現場の実情に合っていない、という意見があります。
日大文理学部の広田照幸教授は、日経ビジネスオンラインに執筆中のコラムの中で、このように述べています。
「日本の学校の教育活動は、目標も手段も実に幅広く、教科、給食、進路、部活などなど、指導することを挙げていくと本当にキリがない。
教科指導に特化した米国の教員と大きく違っている点です。 学年やクラスの現状、個々の子供たちが抱える問題の状況に応じて、
重点を置く指導目標や、採用する取り組みの仕方も常に変化していきます。そこに無理やり基準を作ると、
数値目標以外の活動が切り捨てられてしまうということになりかねません。」
これを読むと、学校を外から評価することが、日本の学校に求められている多くのことを切り捨てることになりはしないか、
という危惧をはらんでいることが分かります。評価自体が悪いことではないのですが、子どもたちは学校で何を必要としているのか、
ということをまず念頭に置くことが大切です。
パブリック・コメントは郵送・FAX・メールなどで、誰でも参加することができます。「こんなことを考えています」
「この法律ができることで何が変わるの?」というような漠然としたことでも、国民の意思を伝えることは大事なことです。
この機会にぜひ意見を投じてみませんか。
■関連記事
学校の評価をより多方面から 「学校評価の在り方と今後の推進方策について」
「学校の第三者評価に関する実践研究」文部科学省
学校評価まとめページ 文部科学省が作成
学校教育法施行規則の一部改正に関するパブリック・コメント(意見公募手続)
の実施について
広田教授の「教育も、教育改革もけしからん」
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投稿者 kksblog : 2007年09月14日 06:50