●いじめ「見て見ぬふり」は人権侵害 「人権擁護に関する世論調査」 (2007年09月07日)
昨今、性別や国籍、障害の有無などによる人権侵害を、なくしていこうという意識が社会全体に浸透しているといえます。ですが、以前からある差別問題が全て解決したともいえず、インターネット社会によって新たな人権侵害の問題も生じています。
内閣府の行った「人権擁護に関する世論調査」の報告書が、内閣府のサイトに掲載されています。これは20歳以上の男女3,000人に対して行ったもので、人権擁護に関する国民の意識を調査し、今後の施策の参考にする、としています。
「基本的人権」は侵すことのできない永久の権利として、憲法で保障されていることを知っているか、という問いに、22%の人が「知らない」と答えています。「知らない」と答えた人の割合を年齢別に見てみると、70代が最も多く、次いで20代が多くなっています。
人権侵害について、日本で人権が侵害されるようなことが「多くなってきた」という答えが前回調査より増えています。「自分の人権が侵害されたことがある」と答えた人の割合は16%ですが、前回の13%より上昇しています。人権についての意識が高くなっている反面、必ずしも守られていない、と言えそうです。このことは「権利のみ主張して、他人の迷惑を考えない人が増えてきた」という意見に対し、「そう思う」人が85%いることでもうかがえます。
子どもに関する人権の問題点にはどのようなものがあるか、という問いには「いじめを見て見ぬふりをする」という答が最も多く、次いで「いじめ行為をおこなう」「親による虐待」「児童ポルノ・買春」などの順になっています。平成15年の調査に比べ、「見て見ぬふり」の割合が増え、直接いじめに関わることを抜いてトップになっています。
また、インターネットの普及によって、ネット上での人権侵害も問題となっています。これについては「犯罪を誘発する場になっている」「他人を誹謗中傷する表現の掲載」「犯罪捜査の対象になっている未成年者の情報掲載」などが挙げられています。被害者にも加害者にも容易になりうるのが、ネット上の人権問題の特徴とも言えそうです。
人権に関する知識は多くの人が持っているものの、他人の権利を尊重することに関しては鈍感になっている、という傾向がみられるようです。「全ての人が権利を持っている」ということは、自分の権利を守ると同時に、他人の権利を尊重しなければならない、そのことを子ども達にしっかりと教えていくことが、今後の人権教育での大切なところではないでしょうか。
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人権擁護に関する世論調査
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投稿者 kksblog : 2007年09月07日 10:31