●小中学校での不登校の現状 文部科学省の調査統計 (2007年08月20日)
文部科学省のサイトに、平成18年度生徒指導上の諸問題の現状として、不登校に関する調査の統計が掲載されました。小中学校における不登校の児童生徒数、その原因などを調査したものです。
教室は、不登校の子にはとても遠い場所かもしれません by黒瀬 AreaE
不登校児童生徒数は、平成13年度をピークに減少していましたが、18年度は小中学校ともに増加に転じています。過去15年、児童生徒の人数は減り続けており、それに対して不登校児童生徒数は大きな減少は見られず、結果、全体の人数に対する不登校児童生徒の割合は増加または横ばいで、15年前と比較すると倍以上の割合になっていました。
小中学校ともに、国立の学校で不登校児童生徒の在籍率が多く、ついで公立、私立の順になっています。国立の学校数は小中ともに約70校と少ないのですが、小学校では半数強、中学校では93%の学校に不登校生徒がいるということがわかりました。
不登校になったきっかけについては、いじめなどの「学校生活に起因」、生活環境の変化などの「家庭生活に起因」、「本人の問題に起因」、という大まかな項目に分けられています。小学生では家庭生活、中学生では学校生活が起因になっていることが多く、小学生では親子関係、中学生では友人関係、学業不振などが影響することがうかがえます。また不登校状態が継続している理由については、小中学校ともに「無気力」「不安など情緒的混乱」が多くなっていました。
きっかけは人間関係や成績などのできごとだとしても、学校に行こうという意欲のなさが、不登校を継続させているようです。近年ニュースでもとりあげられる「ニート」の前身ともいえるかもしれません。
学年別の結果を見てみると、学年を追うごとに不登校児童生徒は増えており、また前年度から継続している、という子どもも小学校高学年、中学2、3年生では半数近くにのぼっていました。不登校状態が長く続くほど、解決するのが難しくなってしまうことが分かります。
「学校へ行きたくない」はっきりした理由があるなら、策を講じることもできるでしょう。しかし「学校へ行く意欲がない」子どもに対しては、なぜ今学校に通うべきなのか、ということをその子に心から理解してもらうことが必要です。「やりたい」「なりたい」ものを見つけ、向上したい、という心を子ども達が持てるよう、周りの大人がまず活き活きとしていたいですね。
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投稿者 kksblog : 2007年08月20日 11:23