●「学校へ行くためのお金がない」 南米出身の日系人生徒などの就学状況 (2007年08月07日)
文部科学省から、「外国人の子どもの不就学実態調査の結果について」が発表されました。
by anissat
この調査は、平成17年度から18年度にかけて、外国人の子どもの就学支援方策等についての調査研究を行う「不就学外国人児童生徒支援事業」の一環としておこなわれました。南米出身の日系人などのいわゆる「ニューカマー」が集住する自治体を中心に、外国人の子どもの不就学の実態を調査しました。
このうち、12の自治体(1県11市)では、就学状況が不明な子どものいる外国人の世帯に対して、戸別訪問を行うなどの方法により調査を実施しました。また、1市では、抽出によるアンケート調査により調査を実施しました。
調査対象となった自治体は、太田市、飯田市、美濃加茂市、掛川市、富士市、豊田市、岡崎市、四日市市、滋賀県、豊中市、神戸市と姫路市です。これらの市の外国人登録者数は、9,889人でそのうち公立学校などに通う就学者数は6,021人で全体の60.9%です。外国人学校などに通う就学者数2,024人で20.5%です。不就学者数は112人で1.1%でした。転居や出国などで連絡が取れなかった者が1,732人で17.5%でした。
「不就学」と回答した112名を対象にアンケートを行った結果、不就学の期間は1~2年未満が一番多く、次いで2~3年未満となっています。「不就学」の理由は、「学校へ行くためのお金がない」が一番多く、次いで「日本語が分からないから」、「すぐに母国に帰るから」となっています。
「日中何をして過ごしているか」という回答に対しては、「特に何もしていない」が一番多く、次いで「仕事・アルバイトをしている」、「兄弟姉妹の世話をしている」となっています。「今の希望」に対する回答は、「就学」が一番多く、次いで「未定」になっています。
子どもたちは「今の希望」に学校へ行きたいと訴えていることからも、就学への意欲は高いということがわかります。しかし、金銭面や日本語力面が邪魔して子どもたちの就学意欲が削がれている事実も否めません。
国際化の波は留まるところを知らず、教育界にも迫ってきています。まずは子ども同士・親同士で近所の外国人ファミリーと交流をしてみてはどうでしょうか。
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投稿者 kksblog : 2007年08月07日 20:18