●青少年の自立を考える 平成18年度青少年健全育成中央フォーラム<報告書> (2007年08月21日)
昨年10月に開催された、平成18年度青少年健全育成中央フォーラムの報告書が、文部科学省のサイトに掲載されました。今回は「青少年の自立を支援する地域の取組について」というテーマで、国内外から有識者を招いて行われました。
パネルディスカッションの模様
参加したパネリストは、平素からひきこもりやニートと呼ばれる若者達を支援する活動をしている人たちでした。また、海外からはイギリス、韓国から、それぞれ社会学の教授が参加しました。
最初にコーディネーターの問題提起からスタートしました。「ひきこもり」と言われている人々が実は年齢層が高いこと、もともとは不登校生徒だったのが10年、20年と長期にわたってひきこもっていた結果、20代、30代のひきこもりになってしまった、というケースが日本には多いそうです。これは「世間体」や「恥意識」が強い国民性であることが原因とみられています。
家から出られない「社会的ひきこもり」の他にも「ひきこもり」のパターンがあります。外に出て、与えられた仕事をこなすなど、一見問題なく日常生活を送れているようでも、その場における人間関係を作ろうとしないという「心理的ひきこもり」というケースです。障害が原因になることもあります。精神的な疾病や知的障害があり、周囲から受け入れられない、障害が原因でトラブルを引き起こす、といったことがあるそうです。
ニートの問題については、背景にフリーター、就職難の問題があります。若者の意識だけでなく、経済状況など社会全体の問題を考えないと、根本的な解決にはならない、と述べられました。
その後、各パネリストによるプレゼンテーションが行われました。実際にひきこもりやニートの若者と関わっている経験談や、イギリスにおける「ニート」という言葉の背景、「ニート」である若者の意識の比較など、それぞれの経験や専門分野について、いずれも興味深い内容でした。最後に全員によるパネルディスカッションで、それぞれの意見や活動についてさらに踏み込んだ内容が語られました。
いずれのケースにせよ、社会や世間といったものに対する、失望や不信からひきこもりやニートにいたることが多いように思われました。未来を担うはずの若者が、社会に踏み出せないでいることは大きな損失です。彼らが自分の可能性に気づけるよう、まずはその手助けをすることが解決の一歩ではないでしょうか。
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平成18年度青少年健全育成中央フォーラム報告書
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投稿者 kksblog : 2007年08月21日 06:46