●子どもの危機・・今すぐに子どもを元気にするための対策を! (2007年07月20日)
子どもを元気にする環境づくり戦略・政策検討委員会(日本学術会議)から「我が国の子どもを元気にする環境作づくりのための国家的戦略の確立に向けて」が発表されました。
by clix
我が国の子どもを元気にする環境づくりのための国家的戦略の確立に向けて
日本のこどもは今、きわめて危機的な状況にあります。体力・運動能力の低下、肥満や糖尿病などの生活習慣病の増加、学力の低下だけでなく、意欲の低下、不登校や引きこもりの増加、いじめやそれによる自殺など、「子どもの危機」とも呼ぶべき状況は、幼児や青少年まですべての段階において見られます。
ユニセフの国際比較によれば、日本の子どもは飛びぬけて「自分は孤独である」と認めていて、向上心もきわめて低いと報告されています。このような状況をもたらしたのは子どもの成育環境の変化であって、これは大人や国の責任でもあるのです。都市化による自然環境の喪失や、急速に進展する高度情報社会、地域コミュニティや家族形態の変化が、子どもを取り巻く環境を変えたのです。
従来は、子どもの問題は、医療、福祉、教育や家庭、学校の問題として捉えられる傾向にありました。しかし、この40年間の子どもの状況変化を引き起こしたのは「車」と「テレビ」に代表される物質的・情報的な環境の変化であって、これによって子どもの成育環境の4つの要素「空間、方法、時間、コミュニティ」が相互に影響しあいながら「悪化の循環」に陥ってしまっています。
「こどもを元気にする環境づくり戦略・政策検討委員会」が考えた日本の子どもたちを元気にするための戦略には、主に3種類あります。
1.総合的戦略
子どもを元気にする成育環境の実現が、わが国にとってきわめて重要な課題であるという認識を示すため、「子どもに優しい国づくり・子どもを元気にする国づくり」を宣言すべき。
2.行動的戦略
・子どもの成育空間の再整備(こどもの遊びや運動のための空間づくり)
・子どもの成育のための道具や方法の適切な使用・学習(電子メディアの適切な利用方法を指導)
・子どもの成育時間の健全化(生活時間の乱れをなくすため、睡眠時間などを確保)
・子どもの成育コミュニティの再構築(友達と触れ合う共同体験の機会を与える)
3.組織的戦略
・横断的な政策立案・実行機能の強化
・政策立案を支える学術横断的な視点と子どもの活力評価の検討
日本の子どもは世界的にもかなり物質的に恵まれ、何不自由ない生活をしていますが、「自分は孤独である」と認めてしまうほど心が貧しいということが表れています。古き良き時代の「心の豊かな子ども」がこれからどんどん増えていくように、大人たちがまず戦略を立てて頑張らないといけないですね。
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投稿者 kksblog : 2007年07月20日 20:18