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「石見銀山遺跡とその文化的景観」が世界遺産に (2007年07月05日)

島根県大田市にある「石見銀山遺跡とその文化的景観」が、世界遺産に登録されました。これは6月23日から7月2日まで、ニュージーランドのクライストチャーチで開催された、第31回世界遺産委員会において審議されていたもので、6月28日に、「登録」と決議がなされました。これにより、日本の世界遺産一覧表記載数は、文化遺産11件、自然遺産3件の合計14件となりました。

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登録決定を受けてコメントする溝口島根県知事

「石見銀山遺跡」の世界遺産委員会審議結果について
石見銀山遺跡の世界遺産登録決定を受けた知事コメント

登録にあたっては、5月に登録候補を審査する機関「イコモス」により、「遺跡の普遍的価値の証明が不十分である」として「登録延期が適当」と勧告されました。しかし、「山を崩したり森林を伐採したりせず、狭い坑道を掘り進んで採掘するという、環境に配慮した生産方式」を積極的に紹介した結果、「21世紀が必要としている環境への配慮」がなされていた、と反響を呼び、登録に至りました。

石見銀山遺跡は、島根県のほぼ中央にある大田市の広い範囲に分布しています。銀山は鎌倉時代末期に発見され、戦国時代にはその利権をめぐって、周辺の大名たちによる争奪戦が起こることもありました。しかし江戸時代に入ってまもなく銀産出量が減少しはじめ、末期にはほとんど産出しなくなりました。その後大火に見舞われたり、経営譲渡などを経て、ついに大正12年に休山となりました。

その後、大規模な採掘や開発が行われなかったため、多くの遺跡が、きわめてよい状態で保存されています。遺跡の一部は日本を代表する鉱山遺跡として、国指定史跡となりました。銀山一帯、またその周辺には、当時の繁栄をしのばせる町並みや神社などが見られ、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。

石見銀山から採掘された銀は、戦国大名や江戸幕府の財源として使われたほか、海外にも多く輸出されていました。中国、朝鮮半島からインド、ヨーロッパ諸国、中南米など広く流通していたと考えられています。当時の海外の文献からも、日本が世界における主要な銀生産国であったことがうかがえます。

これまでにも日本各地の場所、建造物が世界遺産として登録されていますが、産業の場所が登録されたのは初と言えます。現在では資源に乏しい日本ですが、かつては世界有数の銀生産国だったことを、石見銀山を通して知ることができます。さまざまな意味で、興味深い場所だと言えるでしょう。



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投稿者 kksblog : 2007年07月05日 02:43


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