●不眠症・鬱症状・不登校は遺伝子のせいだった!? 新遺伝子「時計じかけのオレンジ」発見 (2007年06月21日)
理化学研究所が、体内時計に大きな影響を与える遺伝子「時計じかけのオレンジ」を発見したそうです。
photo by Colin Gregory Palmer
といっても、これはショウジョウバエでのお話。ただ、人間にも同じような遺伝子が存在するとのことで、今回の発見は、ヒトの体内時計システムを解明するための、大きなてがかりになりそうです。
動物の体の生活リズムに関する生理機能(睡眠など)は、いわゆる体内時計にコントロールされています。この体内時計が狂うと、生活が乱れ、リズム障害を引きおこします。リズム障害は、不眠症・鬱症状・不登校などの原因のひとつだと考えられています。
これまで体内時計の詳しい仕組みは解っていませんでした。「時計遺伝子」という遺伝子ネットワークの働きが影響しているらしいということは、近年の研究で見えてきましたが、ネットワークがどうやって機能しているのかなど、多くは謎のままです。
今回発見された「時計仕掛けのオレンジ」は、自分自身に加え、他の時計遺伝子をも制御する役割を持っており、時計遺伝子ネットワークに大きな影響を及ぼす遺伝子だと考えられています。同研究所では「時計じかけのオレンジ」の研究をおし進めることで、体内時計の仕組みが明らかになる可能性がつよいと考えているようです。
体内時刻の仕組みが解れば、投薬などのタイミングを最適化する最適化医療や、リズム障害の診断・治療に大きな知見をもたらすことが期待されます。
ちなみに「時計じかけのオレンジ」の名前の由来は、もちろんアンソニー・バージェスの小説であり、スタンリー・キューブリック監督の映画である「時計じかけのオレンジ」(楽天店舗へのリンク)。今回発見した時計遺伝子が、「Orange」ドメインと呼ばれるタンパク質構造をもっている「時計」遺伝子からだそうです。・・・だじゃれ?
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投稿者 kksblog : 2007年06月21日 05:45