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「手書きでなくてはならない」は思い込みによる慣習でした 校務情報化 (2007年06月18日)

文部科学省が、日本教育工学振興会に委託していた「校務情報化の現状と今後の在り方に関する研究」の結果が取りまとめられました。校務情報化のあるべき姿を含む中長期的ビジョンまでを含めて、日本教育工学振興会のサイトに掲載されています。一言で言えば、校務をできるだけ情報化していきましょうというのが、その要旨(というか、主張)。

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校務情報化の現状と今後の在り方について

「情報化していこうぜ、って言うのは良いけど、そもそも校務って何ですか?」この調査においての「校務」とは、上の図に書かれている内容の業務をさしています。これらをできるだけ情報化していこうというのが、この報告書のスタンスです。

まず、国内アンケート調査(学校:9,500校、教育委員会:500箇所を対象)の結果として、(1)多くの学校や教育委員会が、校務の情報化を必要だと思っていて(学校で83.1%、教育委員会で95.6%)、(2)校務の情報化を実施している学校のほうが、その効果を大きいととらえる傾向があるということが分かりました。その効果は「効率化により児童生徒に直接関わる時間が増える」「効率化により授業や学級を充実するための時間が増える」など、学校の本質的なところに影響があると考える学校が多いようです。

この調査をもとにして、文部科学省は、平成19年度よりはじめた「先導的教育情報化推進プログラム」の中で、校務情報化の目標7つを設定し、積極的に取り組んでいく方針を打ち出しました。7つの目標とは

(1) 教職員の校務の軽減化・効率化
(2) 情報セキュリティの確保
(3) 児童生徒に対する教育効果の向上
(4) 児童生徒・地域の安全・安心
(5) 学校経営の改善・効率化
(6) 保護者との情報共有の促進
(7) 地域への情報公開・説明責任

この7つの目標は、校内でとじるものでなく、学校間や教育委員会、さらには他の教育委員会までをふくめた書類のやり取りまでをネットワーク化することを目指していくとのこと。

となると、もちろん学校単位で推進できるはずがなく、推進実施団体としては教育委員会が推奨されています。報告書とともに出されたパンフレットには「学校、教育委員会、首長部局、地域、保護者などの間の情報共有を考えると(中略)教育委員会主導で校務情報システムを構築することをおすすめします」としています。「地方ごとに進めてください」という方向性が明確にうちだされているあたり、今の日本の行政の方向性とおなじですね。

いままで校務の情報化がすすんでこななかった理由としては、「押印が義務づけられている公文書が存在する」と「手書き処理が義務づけられている」をあげていた学校が多いようです。しかし、個人情報のかたまりであるカルテすらも電子化されるこの時代、学校も情報化はまぬがれ得ないところなのでしょうね。日本教育工学振興会は、報告書内で「実際には、制度がないにも関わらず慣例として行われていたり、義務づけられていると思いこんでいる」例がおおいと指摘し、「制度を正しく認識して、校務情報化を推進するために不要な規制の有無を点検する」ことをすすめています。



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投稿者 kksblog : 2007年06月18日 22:51


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