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文科省、発達支援モデル校14校を選定 先行して工学的なアプローチの進む米国 (2007年06月12日)

文部科学省は、発達障害のある生徒への支援方法を実践研究する高等学校モデル事業「SNEモデル校」14校(国立2校、公立11校、私立1校)を選定しました。

classroom070612.JPG
by shuichiro

「高等学校における発達障害支援モデル事業」の一貫として行われており、平成19年度から2年間の委嘱という形で始まっています。SNEとは、Special Needs Educationの頭文字をとったものです。

まず、この事業自体の解説から。

同事業は、文部科学省が各自治体に委嘱する形で行われています。実際にかじを取るのは、自治体が設置する広域特別支援連携協議会。モデル校は、同協議会の旗振りのもと、ハローワーク、大学・教育センター、医療機関・福祉施設、小中学校などと連携して、校内でのソーシャルスキル指導、授業教育課程の工夫、教員の理解啓発、就労支援などにあたっていくことになります。そして、この試みの結果は、全国への情報発信となり、発達障害への支援の在り方、モデルとなる。

これが今回の事業の概要です。そして、発達障害に対するケアの試みは、米国では次のようになっているようです。

「こいつらにはやっぱかなわねー」と思うこと

これは、個人の方のサイトです。視覚発達障害を持ったお子さんがいらっしゃるらしく、その支援を行ってくれている学校の仕組みを解説してらっしゃいます。概要を先にまとめておくと、さまざまなジャンルの能力を測るテストを細かく行っていき、足りないところ・伸び悩んでいるところをピンポイントで、かつカリキュラム内に訓練していくというもの。非常に工学的(エンジニアリング的)かつ、合理的。以下、引用。




スピーチ・セラピーの先生は、一種の「IQテスト」のようなフォーマットの各種テストを使い、「見たものを理解・推論する力」「ビジュアル・メモリー」「オーディトリー・メモリー(耳から聞いたものを記憶して、頭の中で並べ替えたり計算したりする力)」など4つの項目についてテストをした。ラーニング・センターの先生は、算数や英語の短作文などのアカデミックなテストをした。どちらの先生も、学校でなく学区に所属している。結果は、いずれも、テストのスコアと、それが他の生徒との比較で何%のところに位置するかのパーセンタイルが出る。その結果、彼はこれこれの分野は強いが、この分野が弱い、ということがはっきり数字でわかる。

(中略)

こうして細かく分析してもらうと、問題を絞り込んでピンポイントで対策もできるし、専門家が指導してくれて、経験豊富だから「この程度の時間でこの程度までいけそう」という目標も立てられるし、これまでの進捗からすると、きっと達成できるだろうという希望も持てる。本人にも、分析結果とこれから何をやるかを説明して、本人も納得した。こうしてちゃんと対策をとるようになってから、「ボクはバカなんじゃない。これさえ克服すればいいんだ。」と自信も持てるようになり、人が変わったように明るくなり、意義がわかっているから、セラピーにも積極的に取り組んでいる。



これが理想形だという気はありませんが、これを読む範囲では、日本よりは明らかに進んでいそう。今回のモデル校の試みが、こういう合理的な対応方法をうみだす方向へと結実していくと良いですね。

今回選定された14校は以下のとおり。

北海道名寄農業高等学校
筑波大学附属坂戸高等学校
東京都立世田谷泉高等学校
東京学芸大学附属高等学校
静岡県立浜松大平台高等学校
滋賀県立日野高等学校
京都府立朱雀高等学校
大阪府立枚方なぎさ高等学校
大阪府立佐野工科高等学校
和歌山県立和歌山東高等学校
福岡県立東鷹高等学校
西日本短期大学附属高等学校
長崎県立鹿町工業高等学校
熊本県立芦北高等学校

平成19年度「高等学校における発達障害支援モデル事業」について

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投稿者 kksblog : 2007年06月12日 21:08


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