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スペシャルオリンピックスを題材にオンライン授業 杉並区立中瀬中学校 (2006年11月21日)

スペシャルオリンピックスを題材にオンライン授業 
 週末にもなれば知的発達障害者と生徒が共にスポーツで汗を流す光景も珍しくない、杉並区立中瀬中学校。人権尊重教育に力を入れる同校では9月12日、1年生を対象に、知的発達障害者にスポーツ活動を提供する「スペシャルオリンピックス」(SO)を題材としたオンライン授業が行われ、認定NPO法人スペシャルオリンピックス日本(SON)名誉会長・細川佳代子氏が、未だ十分でない知的発達障害者への理解やボランティア活動の意義について語りかけた。

 中瀬中学校でスペシャルオリンピックスの教育プログラムを活用するのは、昨年に続いて今年で2回目。「共生」をテーマにした総合学習のなかで全5回の授業が組まれた。

 オンライン授業の前には、都立高校の養護教諭による講演や車イス体験、SOの映像資料、ボランティアやアスリートの家族の体験談等を盛り込んだプログラムを実施。第4回にあたるこの日の授業では、家庭用ゲーム機「Xbox」(マイクロソフト株式会社)のビデオ・チャット・キットを通じて、SON事務局(東京都港区)と同校を結び、授業が展開された。

 自作のパネルを手に、生徒はスクリーンに投影された細川氏に向けて質問。細川氏は大会規模や競技種目、SOの活動から学んだことなどについて丁寧に応えた。

 障害者やSOのアスリートについて細川氏は「人口の2%前後の人が知的障害のある方々だと言われているが、彼らは思いやりや優しさなど人間にとって大切なことを教えてくれる。障害を『不幸なこと』とマイナスに受け止めると本来備えているその人の可能性を伸ばせない。一人一人の障害を理解、サポートすることで、その人の能力が生き生きと発揮される」と述べ、障害者への正しい理解の必要性を訴えた。

 また細川氏はボランティアなどSOに参加する日本人が少ない現状について触れ、「SOでは参加した選手は皆表彰されてメダルがもらえる。人に勝つことも大事だが、昨日の自分に勝つ、一人一人が自らの目標に向かってベストを尽くすことも素晴らしいこと。言葉で理解するのは難しいかもしれないが、触れ合うことで分かり合える。日本ではそうした機会が少ない」と子どもたちに参加を呼びかけた。

 SOは4年に1度、夏季・冬季世界大会が開催されており、現在150か国以上が加盟、アスリート約225万人、ボランティア約50万人が参加している。日本では今年、SONの活動地域が45都道府県へと拡大。国内の参加アスリート数も昨年末には4231人へと増加しており、今後の発展が期待される。

 今回活用された「Xbox」は、昨年6月、マイクロソフト株式会社から杉並区の全小中学校67校へ寄贈されたもの。昨年からSON教育プログラムの実施をサポートしているNPO法人ブロードバンドスクール協会では、ブロードバンド活用を理解する実践的な講習会「ブロードバンドスクールキャラバン」や、テレビ会議システムを利用した国際理解教育など、ブロードバンド環境の特性を生かした授業展開の技術支援を行っている。【吉木孝光】

 【関連サイト】スペシャルオリンピックス日本



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投稿者 kksblog : 2006年11月21日 19:11


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